1984 R1鈴鹿2&4 500 Qualify

Position

Rider

Time

1 上野真一 2:45.80
2 藤本泰東 2:48.40
3 水谷 勝 2:50.85
4 河崎裕之 2:51.67
5 木下恵司 2:55.14
6 鈴木 修 2:55.64
7 長谷川嘉久 2:56.49
8 阿部三吉 2:56.52
9 上田幸也 2:59.88
B10 岡本 弘 3:00.72
11 岡本静慈 3:00.77
12 吉見 卓 3:08.63
13 斉藤 仁 3:09.94
14 山名 久 3:16.05
15 菅野 豊 3:16.07

16

大塚茂春 3:17.07

17

伊藤 巧 3:19.81

 

1984 R1鈴鹿2&4 500 Result 15Laps

Result

Rider Machine

Time

Point
1 木下恵司 NS500 37:49.77 20
2 伊藤 巧 RGB500 38:12.02 17
3 河崎裕之 YZR500 38:17.35 15
4 長谷川嘉久 RS500 38:40.72 13
5 斉藤 仁 RGB500 38:40.72 11
6 山名 久 RGB500 38:41.21 10
7 鈴木 修 TZ500 38:46.28 9

3月11日アメリカフロリダ州デイトナスピードウェイに平 忠彦はいた。
当然全日本500をヤマハのエースとして戦わなくてはならないのは百も承知だ。
木下恵司と激しいチャンピオン争いの末、83年500チャンピオンに輝き、
その木下がホンダへと移籍。名実共にヤマハのエースになった。
しかし、ヤマハはあえて平をデイトナへ向かわせたのだった。
83年限りでGPを引退したケニー・ロバーツ、84年はGPをヤマハのエースとして
戦うエディ・ローソンと共にだ。ヤマハインターカラー(黄黒)のレーシングスーツを
身にまとい、自身初の海外レース、結果ケニーがスペンサーの新型NSR(4気筒)を
破り優勝。2位スペンサー、3位ハスラム(3気筒NS)、4位ローソン、そして平は5位に
入った。平が世界へ羽ばたく第1歩となったレースだった。
ということで、平 忠彦はここ鈴鹿2&4にエントリーしなかった。

ホンダは木下恵司、阿部孝夫がNS500(3気筒)でエントリー、4気筒のNSR500は
まだ今シーズンは国内デビューなさそうである。
ヤマハは平を欠いたが、河崎裕之と浅見貞夫のベテランに83年型と84年型のYZRを用意。
真っ向からホンダを迎え撃つ構えだ。
またスズキはワークスRGγは無いものの、水谷 勝と山名 久に84年型RGB500を用意。
戦力的には引けを取るものの、83年型RGγと言ってもいい仕上がりだ。

予選はアクシデントに見舞われた。金曜日の公式練習中に阿部が最終コーナーで転倒、足を骨折。
同日浅見が逆バンクで転倒、膝を脱臼。ホンダ・ヤマハ共に第2ライダーを失うことになる。
波乱の予選は雨でTZの上野真一がポールをゲット。2位もTZの藤本泰東、3位に水谷勝がつけた。
河崎は4番手、木下は2列目5番手スタートになった。ホンダでのデビュー戦、苦しいスタート位置だ。

レースはドライコンディション。木下NSが昨年日本GPのスペンサー並の好スタート。
しかし河崎YZRは1周目ヘアピンまでに追付きトップに浮上。ホームストレートでは木下が再びトップを奪う。
この2台に続くのは水谷RGBだ。デットヒートを予想したが、河崎がジリジリと木下に差をつけ始める。
7周目4番手につけていた藤本が200Rで転倒、鎖骨を骨折してしまう。
その直後、今度は3番手の水谷が130Rで転倒、戦線離脱を余儀なくされた。
これで3位に浮上したのは、83年型RGB(鉄フレーム)を駆る伊藤巧だった。
3月の鈴鹿はまだ春遠し、なんと雪が降ってきた。これにより木下はやや河崎との差をつめるが、
河崎も木下が迫ってくるとまた差を広げる余力を見せた。
そして最終ラップ河崎は木下に11秒のリードを保っていた。誰もが河崎の優勝を疑わなかった。
が、最終コーナー、河崎のYZRが極端なスローダウン。その横を不思議そうに木下NSが駆け下りる。
まさかの逆転優勝、木下ホンダのデビューを優勝で飾った。河崎は伊藤にも抜かれ3位。
最終コーナーが下り坂だったのが幸いして惰性でチェッカーを受けられた。
河崎YZRは信じられないガス欠だった。
勝利はしたものの、河崎との差をつめきれず、今後に大きな課題を残す木下とホンダであった。


 

1984 R1鈴鹿2&4 TTF-1 Qualify

Position

Rider

Time

1 徳野政樹 2:47.89
B2 宮城 光 2:52.59
3 八代俊二 2:54.91
4 横井 猛 2:59.43
5 三浦 昇 3:07.96
6 森光一馬 3:09.06
7 荒木利春 3:10.13
8 池田 直 3:10.14
9 喜多祥介 3:10.23
B10 山根千尋 3:11.00
B11 坂本 保 3:12.62
B12 斉藤昇司 3:13.32
B13 古川 勝 3:13.58
B14 三味俊也 3:13.79
15 花岡忠孝 3:16.79

16

木下 淳 3:16.89

B17

日下直一 3:17.16

18

榊原健二 3:18.87

B19

河合 明 3:23.24

 

1984 R1鈴鹿2&4 TTF-1 Result 15Laps

Result

Rider Machine

Time

Point
1 八代俊二 ホンダCBX750 37:20.07 A20
B2 宮城 光 ホンダCBX750 37:23.49 B20
3 徳野政樹 ホンダVF750R 37:23.55 A17
4 三浦 昇 スズキGSX750ES 37:34.50 A15
5 喜多祥介 カワサキGPZ750 37:50.78 A13
6 荒木利春 ホンダVF750F 39:22.01 A11
B7 日下直一 カワサキGPZ750 39:31.73 B17
8 森光一馬 ホンダCBX750F 39:34.62  

9

横井 猛 ホンダCB750 39:36.72  

10

木下 淳 ホンダVF750F 14Laps  
  山根千尋 スズキ   B15

84年シーズンから排気量が750ccへ変更、そして全日本選手権格式でレースが行われた。
注目は83年スーパーノービスライダー、モリワキの宮城 光(国際B級)だ。
モリワキは84年からホンダのCBX750Fのエンジンを搭載した新モリワキモンスターを誕生させた。
また、モリワキのもう一人八代俊二は83年B級ながらF-1クラスのポイントリーダーとなり、
A級昇格で期待される。
もう一方のプライベーターのヨシムラは、オリジナルの鉄フレームにスズキGSX750エンジンを搭載。
ライダーに83年B級250で大活躍の三浦 昇と、83年Y2レーシングでWGP250を転戦した池田 直を起用。
対するホンダワークスはベテラン徳野政樹にRS750Rで挑む。
カワサキはワークスチームの撤退で、Team38から喜多祥介は83年型KRにGPZ750のエンジン搭載車だ。
ヤマハはマシンの出来上がりが遅れエントリーしていない。(上野真一+XJ750)

予選は雨の中、ホンダの徳野が83年型マシンでポールポジションを獲得。(84年型は今ひとつ完調ではない)
続いてモリワキの八代と宮城が2人で引っ張り合ってタイムを伸ばした。

レースはドライコンディション、スタートで飛び出したのがやはり83年型マシンに乗った徳野。
これに喜多、池田が続く。その池田は2周目には2位に浮上。徳野に迫るが、5周目のスプーンで転倒。
そして徳野の背後に迫ったのは八代と宮城だった。28秒台の徳野に対して27秒ついに26秒台に入れ、
八代は11周目のヘアピンで徳野とかわしトップに浮上した。そして宮城も2分25秒33という驚異的なラップで
13周目に徳野を捕えた。八代の約3秒後ろで宮城と徳野がバトルをしながら最終ラップへ突入。
最後のシケインで宮城がブレーキミスで徳野と横一線。インを突いたのは宮城でややアウト側にはらみながら
最終コーナーを加速。徳野はアウト側のやや荒れた部分に導かれた格好となり、スロットルを開けられず、
宮城の約2m後方で最終コーナーを駆け下りる。みごと開幕戦をモリワキがワン・ツーフィニッシュで飾った。
八代はA級昇格そして宮城はB級昇格どちらも初レースで初優勝となった。

 


1984Top R1 R2 R3 R4 R5 R6 R7 R8 R9 R10 R11 総合ランキング