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さそり座 | ![]() |
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★美しいS字曲線が目印 | |||
さそり座は、7月になると南の空に昇ります。熱帯地方の生き物らしく、 まるで自ら「夏は俺様の季節だ!」と自慢しているかのようです。 さそり座の目印は、その胸元で神秘的な赤色に輝く1等星アンタレス、 そして、明るい星々が描き出すS字曲線です。 | |||
★さそり座とオリオン座の神話 | |||
力自慢のオリオンは、常日頃から「自分にかなうものは無い」と高言して はばかりませんでした。それを快く思わなかった大神ゼウスの后ヘラは、 オリオンに大さそりを投げ、オリオンをその猛毒で殺してしまいました。 このため星座になってからも、オリオンはさそりを恐れ、さそり座が天に 姿を見せると、自らは地平に身を隠すのです。 | |||
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▲さそり座とオリオン座。 星空で正反対に位置するため、ふたつの星座が 同時に見えることはない。この様子が神話に取り入れられている | |||
●南中位置での見つけ方 | |||
まずアンタレスから見つけよう 1.まず最初にさそり座の主星のアンタレスを見つけてみましょう。 真南を向いたら、げんこつ3個分上を見ると、赤く輝く1等星アンタレスが 見付かります。その両脇には親指幅の間隔で、への字型にならんでいる、3 等星を見つけましょう。これがちょうどさそりの胸の部分に当たります。 2.今度はさそりの頭の部分を見つけます。 アンタレスから西(右)へげんこつひとつ分の所に、3つの星が親指間隔よ りも少し広い間隔で縦に並んでいるのが見つかるはずです。 3.最後にさそりの象徴でもある、尻尾をたどってみましょう。 アンタレスから南(下)へげんこつひとつ半、そこから東へげんこつひとつ半 の間にいくつかの星が、ちょうど釣り針のような形で並んでいます。これが さそりの毒針の部分です。 | |||
●さそり座ウォッチングのポイント | |||
【α星(アンタレス)】 およそ4〜5年の周期で、0.9等〜1.2等級に変光している、赤色の超巨星 です。アンタレスには、およそ900年の周期で、その周りを巡っている、離角の 小さな5等級の青白色をし伴星があり、中口径の望遠鏡で、観測することができ ます。 「アンタレス」は「火星に対抗するもの」と訳されますが、赤色をしてい ることから、その輝きは、火星によく似ています。 | |||
【β星】 2.6等星と4.9等星のふたつの星で構成されている、二重星で、小型の望遠鏡 でも簡単に分離して、観測することが出来ます。このふたつの星には、相互に 力関係はなく、地球からそれぞれ530光年、1100光年という距離にあります。 | |||
【μ星】 肉眼でも分離して観測できる、二重星です。主星は34時間の周期で、2.9等 から3.2等級まで変光する食連星で、伴星は3.6等級です。 |
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★さそり座付近の天の川 さそり座の尾と、いて座の南六斗のあたりは、夏の天の川の中では、もっとも 明るくて幅の広い部分で、夏の宵の南の空では、見物になっています。 しかし残念なことに都会では、街明かりに阻まれて、その存在はほとんど見る ことができません。できれば夏休みに街を離れて、見上げてみたいものです。 まるで光の入道雲のような入り乱れた光芒に、圧倒されることでしょう。 |
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