Crotaphytus collaris

英名:Common Collared Lizard
和名:
クビワトカゲ

その2



飼育の基本
屋内で飼育する場合、初期投資として、最低、¥20,000くらいは必要になります。
場合によっては、生体より高くなってしまうんですが、まぁ、日割りで考える1年で全部償却しても¥55/日くらいです。
高いセットを購入しても¥150/日。少なくとも数年以上は飼うわけですから、毎日飲んでる缶コーヒーを1本減らせば、楽に飼える計算です(^^)


飼育に必要なもの サイズ・仕様など おおよその価格
1.ケージ
(飼育容器のこと)
最低45cm水槽程度は必要。
目安は1prで40cm×40cm×40cm以上必要。
少なくとも上面は金網でないとダメ。

広さは40cm×40cm×40cm(高さ)くらいあれば、ペアでの飼育は可能です。ただし、このサイズのケージを使うのであれば、照明やホットスポットはケージの外につけるようになります。
紫外線の供給と通気性を考えると少なくともケージの一部はアミを用いる必要があります。(紫外線は普通のガラスを透過し難い)
水槽のふたを金網にすることで、一応、大丈夫ですが、余裕があるのであれば、専用の爬虫類ケージが、一番扱いやすいでしょう。
水槽使用で¥3,000程度
専用ケージで¥8,000〜
2.水入れ 浅いものであれば、何でも良い

クビワトカゲは砂漠に住んでるはずなのに、水を良く飲み、また、簡単に脱水になります。
喉が渇いていると3ccくらいを一気に飲みます。
常に水は与えておくようにします。

クビワ飼育のポイントは水をどのように飲ませるかにあると言っても間違いではないと思います。
¥100程度
3.ドリッパー
(点滴式給水器
ワイルドの場合、水入れからでは水を飲まない(水に気づかない)個体がいます。
それらの個体に有効です。


ドリッパーはかなり有効ですが、それだけでは、まだ不安があります。できれば、毎日軽く散水してやった方がいいです。散水の仕方は、雨の降り始めをイメージし、トカゲの鼻先にポタ、ポタと言う感じで、やや飛沫が飛ぶくらいに落としてやるのが効果的です。
水についての学習は、個体差が激しく、その個体の性質を見極めることが肝要です。中には、スポイトから直接水を飲む個体もおり、これらはスポイトを見せると寄ってくるようになります(^^)
市販品で、¥1,000〜
自作も可能
4.シェルター
(隠れ家)
植木鉢やブロックなどの廃品利用でもよいし、市販品もある。

隙間が大好きです(^^)
なるべく狭い隙間ができるようなシェルターにしてあげてください。
市販品で、¥500〜
5.バスキングライト
(熱の供給)
100W程度ののスポットランプ
とりあえず、専用のものでなくて大丈夫
広いケージならば、点けっぱなしでも何とかなるが、普通、温度コントロールのためにサーモスタットが必要。

バスキング(日向ぼっこ)をする場所をホットスポットと言いますが、ここには、石やレンガなどがある方が良いです。石やレンガが温まり、お腹側からも温まりますので。
温度ですが、ホットスポット部分は40℃以上あるほうがいいですね。
活動中のクビワを捕まえてみると、かなり温かく、ほぼヒヨコと同じくらいの体温を感じます。
しかし、ケージ全体がこの温度になるのは危険ですので、日陰に相当する部分(普通シェルター)は、30℃を超えないように気をつけましょう。
ソケット込みで
¥2,000くらい

専用サーモスタット¥10,000くらい
6.UV蛍光灯
(紫外線の供給)
専用のUVBの出るランプ。高出力のものが良い。

昼行性爬虫類はカルシウム代謝を行うためにやや短波長の紫外線が必要です。
細かい解説はしませんけれど、紫外線がないと死んでしまう可能性が高い、という事は覚えておいてください。可視光に7色があるように、紫外線にも、ある程度、種類がありますので、専用のランプを使うようにしてください。植物が緑の照明で育ちにくいように、光なら何でもいいと言うわけではない、という事も覚えておいてください。
20Wで¥4,000くらい(蛍光管のみ)
7.水銀灯・メタハライド灯
(5と6をあわせた機能を持つ
スペースの関係で、スポットランプ一個にしたい場合や、より強力な紫外線が必要な場合に使う。これを使用するときは、5、6はなくても大丈夫。
クビワの場合は、お勧め。
ただし、点灯のシステムが特殊なため、サーモスタットによる温度コントロールが出来ないものが多い。
HID灯で、¥7,000〜
メタハラでは、
¥40,000くらい
昆虫・ピンクマウス(ネズミの子)
基本的にコオロギでよい。

色々食べますが、一番手に入りやすいコオロギで問題なく飼えます。
ジャイアントミルワームも、個体によっては良く食べます。この餌を食べていると早く太っていいのですが、食べ過ぎると吐き戻すことが多いので、加減して与えた方がいいと思います。
餌の動きに反応しますので、基本的には動かない餌で飼うのは無理だと思ってください。
慣れるとピンセットや手から餌を食べるようになる個体もいますが、人工飼料で飼うのは、かなり難しいと思います。
また、野外では同種を含むトカゲを食べます!サイズの異なる個体を同居させることは避けましょう!
コオロギで¥6〜
サプリメント 主として、カルシウムの供給。
ミネラオールは実績アリ。

飼育下で不足しがちなカルシウムやミネラルを補う必要があります。せっかく紫外線灯を容易しても、肝心のカルシウムがなければ話になりません。
飼育状態は、特殊な状態なので、野外より沢山のカルシウムが必要になっているようです。
¥2,000くらい。
合計 20,000〜
¥50,000
以上の中に床材が入っていませんが、忘れたわけではありません。
多少の穴掘りはしますが、産卵以外に土などが必要なことはないようです。
逆に土によって、トラブルが起きた例もありますし、うちの場合、土により、個体が汚れてしまうので、使用をやめています。


というわけで、正当な飼育説明をしてみました(^^ゞ

が、しか〜し!100均王としては、この説明だけでは寂しい(笑
で、
¥300でできる!クビワトカゲ飼育ケージを載せておきます。

まず、大前提は、日のあたる庭、もしくはベランダを持っていること。日照時間は、5〜6時間あれば確実です。
これがあれば、照明器具は不要です。バスキングライトにしても、紫外線灯にしても太陽の代わりでしかなく、強さにしろ成分にしろ、本物には敵いません。火事の心配も電気代も不要ですから、これを利用しない手はありません。
というわけで、私と同じく田舎在住で、日照にだけは恵まれている人は、是非、屋外飼育を実践しましょう!

これが完成図。
全て¥105の材料で出来ています。
大きさはφ42cm×52cm、ほぼ60cm水槽を縦に置いた大きさです。
各部品の説明を下に記します。

注意!この自作ケージは屋外用です。屋内で、バスキングランプなどの電気器具と併用する場合は、火事になる恐れもありますので、自己責任において使用してください。
ネットはこれ!
価格:¥105
洗濯用の大きなネットです。
メーカーにより、サイズは色々あると思いますが、私はこのサイズを使っています。
扉代わりのファスナーは大きくも小さくも開くので、非常に使い勝手がいいです。
洗濯に耐えるだけあって、かなり丈夫です。小型トカゲでは、(人間でも)引き裂くことは不可能でしょう。
ただし、コオロギは地道に食い破りますので、食べ残しのコオロギにはご注意を!
注意事項としては、ファスナーエンドの構造が左のようになっている物を選ぶこと。
ファスナーをゴムバンドの中に収容しているので、内側からただ押すだけでは、開くことができません。
これがないと、脱走される恐れアリ。
左:ファスナーを収容する前
右:ファスナーを収容したところ
これ正式にはなんていうんでしょう?まぁ、名称はともかく、物自体は誰でもわかると思います。
価格:¥105
外形を維持するのと、吊り下げ用のフックを兼ねています。
ネットの上縁をピンチで挟んで使用します。
所詮100均なので、重量物は支えられそうもありません。その点は注意してください。この部分は、針金製のハンガーを組み合わせて作るなど、いろいろ工夫の余地があります。
フロアパネル
価格:¥105
上縁は、↑の物を使って外形を維持しますが、底の部分にも何かないと円錐形になってしまいます。
外形が維持できれば、何でもいいんですが、今回はこれを使ってみました。
これを反転させると…。
水入れも兼ねた、いい感じの底板になりました(^^)
調度品として、フェイクのレンガを入れてみました。
軽くて、水に強いので、これを組み合わせてシェルターにするといい感じです。
他に、日よけ代わりとして模造の観葉植物を、登るのが好きなことを考慮して軽めの枝を入れてみました。
このあたりは、各人のセンスで色々できると思います。
こ〜んな感じです(^^)

水はじょうろなどで散水してください。ドリップも、もちろんOKです。取り付け方法は各人で工夫して見てください。
ケージを自作すると、トカゲにとって何が必要かが見えてきます。こちらの思惑通りに行かない時は、トカゲが必要とするものを勘違いしていた、ということですし、また、怪我の功名と言うか、思わぬ発見があったりしますので。

曇りや雨が続く時もありますが、極端に長い時をのぞいて、自然に任せて大丈夫だと思います。一年間、屋外飼育してみましたが、寒ければ寝ていますし、それによって消耗していくことも無いようです。
そのかわり、晴れた日には、確実に世話ができるようにしてくださいね。

(繁殖について その1)

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