Crotaphytus collaris

英名:Common Collared Lizard
和名:
クビワトカゲ

その3



繁殖について
やっぱりケアシートを書くには、繁殖がの情報は欠かせませんが、一連のページを書き始めた時には、まだ繁殖に成功していなかったので、後回しにしていました。
このたび、(2004年)ベビーのハッチにこぎつけましたので、ここまでの流れをまとめておきます。

まずは雌雄の判別

繁殖を目指すには、まずオスとメスをそろえなければなりません。で、雌雄の判別から。
このトカゲは顕著な性的二型を示し、アダルトで体温が上がっていれば、外見からでも雌雄の判別が可能です。

1.色彩はオスのほうが鮮やか。
2.大きさはオスのほうが大きくなる。
3.オスは頭が大きくなるが、メスはほっそりしている。
4.オスは尻尾の付け根が太くなる(ヘミペニスを収容しているため)

また亜成体で、イマイチ性徴が現れていない場合でも、総排泄孔付近を見れば分かります。オスの場合は、総排泄孔の後ろに大きめの鱗が並んでいます。
以上を画像にまとめてみました。

特徴 オス メス
色彩
典型的な個体であれば、色を見ただけでも明らかな違いがお分かりになると思います。が、紛らわしい個体もいるのも事実です。また、体温が上がっていないと色が出ませんので、そういう場合に色で選ぶのは危険です。
このオスは、本物(ジョーンズ博士ブリードの)「アクアフレイム」です。WCでも「アクアフレイム」のインボイスが付いてくる個体がいますので、よそ様が詐称しているわけではないですから、本物っていうのも変な言い方ですけどね(笑
今年(2004年)、WCの厳選個体(極美ということで、輸出元が証明書添付)を200頭以上導入しましたが、この青さになる個体は1頭しかいませんでした。飼い易さ、最終的な色彩を考えに入れれば、差別化しても当然と思います。
左は体温が上がっていないオス。↑の個体と同一ではありませんが、ほぼ同等の個体です。それでも冷えているとこんな感じ。 こちらはちょっと画像が悪いですが、特に青色が強いメス。このメスは本物のアクアフレイムですので、WCを普通にショップで購入する場合は、ここまで青い個体は、まず、いませんので、安心していいと思います。
鱗の形状
左がオス、右がメスです。オスの場合、肛門の直後に大きな鱗があるのがわかると思います。メスの場合、やや個体差がありますが、オスのような大きな鱗はありません。左の画像のメスは、肛門近くの鱗が比較的大きめの個体ですが、比べてみれば違いは判ると思います。
この判別は幼体でも使えます。
この判定方法は、こんなサイズでも使えます。右の画像を見てください。この個体はオスです。ちなみに背景は10円玉です(笑
妊娠色
妊娠したメスは、背中を中心に鮮やかなオレンジ〜赤い斑紋が出ます。WCで初夏に入荷する個体の殆どが妊娠していますので、この色が出ている個体はメスである可能性が高いのです。
この色は一時的な色で固定できません。つまり妊娠色が濃い個体を購入しても、オレンジのクビワは出来ません。
ちなみに、この画像のメスの場合、腹に卵の形が浮き上がっています。
紛らわしいのが、サブアダルトの個体。この個体は、アクアフレイム オスのサブアダルトです。メスの妊娠色と同じ色が出ています。
特に、この画像のように体温が下がって発色が鈍っている時は要注意。
この色彩について、「ちいさきものくらぶ」のオーナーの方は、アダルトオスの攻撃をかわすことが目的じゃないかと考えていらっしゃいます。
私もこの意見を支持します。鳥など二次性徴が色彩に出る生物の場合、亜成体のオスがメスのような色彩をしている例が散見できますし。

続いてペアリングまで。

(ペアリングから孵化まで・工事中)

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