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PCよもやま話 No.14・バックアップ電池 1998/12/23 (2000/01/22追記)
■突然のトラブル
 昨日、サブマシンの"Kaede"の電源を投入してみると、どうも様子がおかしい。「CMOS Check Sum Error」なるものが表示されている。どうやらCMOSメモリが保持されず、BIOS設定が初期化されているらしい。

 このPCのマザーボードは、ASUSSP97-Vである。そういえば先日、あるインターネット上の会議室で、SP97-VのCMOSメモリが消えてしまうというトラブルが報告されていたことを思い出した。それによると、このマザーボードは、バックアップ用電池のホルダーの金具が、接触不良を起こしやすいのだという。
 また、検索エンジンで調べてみると、SP97-Vは電池の消耗が激しいとの情報も見つかった。

 そこで、さっそくリチウム電池を取り出して調べてみることにした。
 ラジオペンチで電池を押さえている金具を開き、ホルダーとの間にマイナスドライバーを入れてこじると、電池はあっけなく外れた。
 電池の種類は、CR2032というリチウム電池としては大変ポピュラーなものであった(コンビニでも売られている)。
 テスターを当ててみると、案の定、切れているらしい。
 ふと思い返してみると、このPCは、ここのところどうも挙動不審な点があったのだが、これもおそらく電池が切れかけていたせいなのだろう。

■電池の交換
 手元のモバイルギアが偶然バックアップ用に同じ電池を使っていたので、交換してみた。

 交換後、電源を投入すると、当然ながらBIOS設定は初期化されている。そこで、適切に設定して再起動。電源を落としてからしばらく放置し、ふたたび立ちあげてみた。
 すると、CMOSメモリはきちんと保持されていた。とりあえずは解決である。

 その昔は、マザーボード上のリアルタイムクロックという部品(1*1.5*3cm程度の黒い直方体をしている)に電池が内蔵されていたので、電池が切れるとそのクロックをまるごと交換する必要があったらしい。当然、半田付けの必要な作業である。それに比べれば、ボタン電池だけ交換すればいいのは、非常に簡単といえよう。

■電池の寿命とマザーボード
 SP97-Vを購入したのは昨年10月だから、購入から1年2か月である。それに対して、数年前に発売されたCOMPAQのDESKPRO(No.13を参照)は、いまだにまったく異常ない。
 もっとも、1年以上は電池が持ったのだから、SP97-Vがあながち不良品といえないが、消耗が激しいほうだとはいえるだろう。

 保証期間も過ぎていることだし、ときどき交換が必要だということに留意しながら、使っていくしかないだろう。
 おそらくあと2回も交換しないうちに、製品寿命が尽きると思われるので、それまでの辛抱である(苦笑)。

 マシンが原因不明のトラブルを起こしたときには、電池の消耗が原因ということもありえる。特に、時計が遅れたりBIOS設定がおかしくなったりするような場合には、まずは電池をチェックしてみてはいかがだろうか。



■追加情報 No.1 1999/07/05
 この件について、中森さんから情報をいただいた。
 それによると、中森さんのSP97-Vもバッテリーの消耗が激しいそうである。中森さんによると、「SP97-Vのバッテリーバックアップの供給電圧の回路が間違っているのではないかと思う。供給電圧が高いほど、バックアップ電池の消耗は早くなるという話を聞いたことがある」とのこと。
 その対策として、1.5V単一乾電池(CR2032は3V)を、電池BOXを基盤にハンダ付けして使用しており、順調に稼働しているとのことである(単一で大きすぎて邪魔になるようなら単三でもよいとか)。
 貴重な情報どうもありがとうございました

 筆者はハンダ付け初心者であり、基盤にハンダゴテを当てるのは個人的に怖いものがある。が、すでにSP97-Vの減価償却は済んでいるともいえるので、近いうちに試してみようかと思っている。

■追加情報 No.2 2000/01/22
SP97-Vと電池BOX
SP97-Vに電池BOXを付けてみたところ
 昨年末、眠っていたSP97-Vを使って、PCを1台組み立てた。そのときに、中森さんからいただいた情報をもとに、電池BOXを取りつけることにした。
 単一乾電池だとマザーボードの上には取りつけられないようだったので、単三乾電池にしてみた。設置場所は、2次キャッシュの上がちょうどよい感じだったので、そこを選んだ。
 作業は単純で、まず、マザーボードの裏側から、CR2032ソケットの電極の部分にリード線をハンダ付けする(表からだと、ハンダ付けしにくいようだ)。次に、そのリード線を電池BOXに繋く。なお、このとき、プラスとマイナスを間違えないよう、注意が必要である。続いて、電池BOXを固定する。筆者は、お手軽に両面テープを用いた。
 最後に、不用意に外れたりしないよう、要所をホットボンドで固めて完成である。
 電池BOXの結果は上々で、1か月ほど経過するものの、CMOSメモリはきちんとバックアップされているようだ。中森さんにはあらためて感謝したい。

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