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「こんふりくとの見たロンドン」 第2回・トロカデロ編


トロカデロへ行く
 前回のレポートでも語ったが、大英博物館へ行ったはいいが開館まで4時間もあるという事態に陥った私は、予定を変更してトロカデロへ向かった。
 ロンドン出張前、ある知人から勧められた観光名所がこのトロカデロである。なんでも、ゲーセンなどが入っているアミューズメントビルだという。
 その場所は、あらかじめガイドブックで確認してある。ロンドンの中心地・ピカデリーサーカスのすぐ近くらしい。大英博物館からだと、地下鉄のNorthern Lineで一駅だ。地下鉄に乗ってピカデリーサーカスへ向かった。

■おなじみキャラクタと対面
 ピカデリーサーカスは、あらゆる方向からの道が交わる、いわば巨大な交差点である。数多くの道が集中していて、十字路どころか「八叉路」のような感じだ。決してサーカスをやっているわけではないので、ロンドン初心者はご注意あれ。かくいう私も、ガイドブックを読むまでは誤解していた……。
 そのピカデリーサーカスの駅で地下鉄を降りて、適当な出口から出た。例によってどこにいるのかわからないので、地図を広げて確認。「そごう」のロンドン支店がよい目印になって、ほどなくトロカデロのあるらしい通りがわかった。
 通りを歩いていくと、半円形のひさし(?)を大きく道に張り出したビルがある。そのひさしの上には、どこかで見た銅像が……おお、セガのイメージキャラクタ、ソニックではないか! こんなところでも君に対面するとは……。
 そして、ひさしについた電光掲示板には「TROCADERO」の文字が踊っていた。そう、ここがロンドン一(?)の電脳アミューズメントスポット、トロカデロだったのである。
(写真左・トロカデロ入り口)

トロカデロ を誤解する
 しかし、そのひさしには、「TROCADERO」に加えて「SEGA WORLD」という文字が、例の青い書体で掲げられていた。セガワールドといえば、日本でお馴染みのゲーセンである。「トロカデロってセガワールドだったのか」と思いつつ、正面入口から中に入った。この時、私の頭には日本的ゲーセンのイメージがすっかりでき上がっていた。
 ところが、中に入ると、まるでデパートかショッピングセンターのような雰囲気であった。どう見てもゲーセンとは関係ない、雑貨屋(というかファンシーショップ(?))や、お菓子屋、スカーフ専門店、ニューススタンドなどが並んでいる。こりゃなんかへんだぞ、と思いつつ建物の奥に進むと、雰囲気が一転した。
 ブルーを基調にライトアップされた広大な吹きぬけ、その真ん中をスケルトンの長いエスカレータが伸びる。壁や柱にはきらきらと輝くそれっぽいオブジェ……近未来SF的な空間が広がっていた。なんと、そこがセガワールドだったのである。
 雑貨屋、お菓子屋、そして「近未来的空間」のギャップに驚き、あわてて近くにあったビル内の地図をチェックする。……ある知人の「アミューズメントビル」という説明がようやく理解できた。日本的ゲーセンのイメージは大誤解だった。
 トロカデロというのはこのビル全体の名称で、ゲーセンやゲームショップ、バーチャルシアター、CDショップ、それに加えて雑貨屋やレストランなど、多くのテナントが、このビルに入っているのだった。いわば、アミューズメント系オンリーの百貨店といったところだ。

トロカデロ とソニックの熱い関係(笑)
 その数多いテナントの中でも、セガワールドはもっとも大きい面積、かつビルの中心を占めていた。さきほどの長いエスカレータは、セガワールドへのメインエントランスだったのだ。いかにも未来的でカッコイイ雰囲気である。
 このセガワールド、ただのゲーセンではなくて、日本でも最近はやりの屋内型アミューズメント施設らしい。よく見ると、エスカレータの入り口には(自動改札のような)ゲートがあって、入場券を買わないと入れないようになっていた。
 しかし、妙に閑散としている……と思ったら、残念ながらこの日には、まだ開店していなかったのである……。9月9日、来週オープンということだった。しかたがないので、この日は別の店を巡ることにした。
 実は、ロンドンに来てからというもの、2階建バスの車体広告や地下鉄駅構内の壁広告で、ソニックをしばしばみかけていた。イメージ先行の広告で、日本人の私にはいったい何を宣伝しているのかわからなかったのだが、ここの広告だったのだ。後でよく見ると、ちゃんとオープン日も広告に書いてあったという……。とほほ。
 こういった宣伝の効果もあってか、セガワールド、そしてソニックはロンドンでもかなりの人気だった。
 ロンドン滞在中、私は2回トロカデロ を訪れたのだが、2回目の訪問のときには「あまりにも混んでいるので」入場制限をしており、またもや入れなかったのである。
 また、新聞でも新聞社自身が「入場券1000名プレゼント」などという企画を行なっていた(ロンドンの新聞社の間の競争は、大変激しい)。これも人気のあらわれだろう。
 なお、その昔秋葉原などでみかけたソニックの着ぐるみはロンドンにもいて、子供達に人気だった。

■ロンドンゲーセン事情
 セガワールドには2回とも入れなかったが、このほかにもトロカデロには「FAN LAND」という3フロアに渡る大きなゲーセンがある。日本での私は、ここのところゲーセンから足が遠ざかっていたのだが、ロンドンのゲーム事情には興味があったので訪れてみた。
 ゲーセンのゲームは、「驚いたことに」というべきか「やはり」というべきか、日本製ゲームがほとんどだった。99%は日本製だろう。なお、トロカデロ以外のゲーセンにも何ヶ所か訪れたが、どこも事情は同じだった。
 一番の人気は、レースゲームだった。デイトナUSAはちゃんと8台対戦筐体があった。ナムコのレイブレーサー、セガラリー、Konami?のINDYレースのゲームなども常にプレイヤーがいた。どうやら対戦システムが人気のようだ。ちなみに、かのアウトランまであった……。
 次に、大型筐体のゲームが人気だった。バーチャコップやタイムクライシスなどの銃系のゲーム、アルペンレーサー、人力飛行機をこいでプレイするゲーム(名前知りません)、ゴーグルをかぶってプレイするクレー射撃のゲーム(?)などなど……。広大なフロアは、ほとんど大型筐体で占められていた。
 対戦ゲームも、根強い人気があるようだ。VF2、ストリートファイターなんとか(よくわからない)や、モータルコンバット(?)をみかけた。ただ、全ゲームに占める比率は日本に較べるとかなり少ないだろう。なお、対戦ゲームに分類していいのかわからないが、バーチャロンも1台だけあり、こちらもプレイヤーが絶えなかった。
 パズルゲームやシューティングは少な目で、ほとんどみかけなかった。「ぷよぷよ」があれば、技を披露しようと思ったのだが。国民性の違いだろうか……。
 プレイ料金は、みな£1だった。日本円で大体\180くらい。日本よりちょっと高めである。なお、10Pや20P、50Pなどの小銭でもOKなのは便利だった(£1(ポンド)=100P(ペンス))。
 2回目に訪れたとき、昔よくプレイしたリッジレーサーの続編ということで、レイブレーサーをプレイしたのだが、現地の人にほめられた……らしい。ソロプレイ、いちばん簡単なコースで2位の結果だったのだが……。右足でアクセル、左足でブレーキという邪道なプレイをしていたので、怒られたのかもしれない。

■その他のテナント
 トロカデロにはほかにもいろいろなショップがあった。
 なかでも面白かったのは、マンガに出てくるようなお菓子を集めたお菓子屋さん。巨大なロリポップや風船ガムなど、いかにも体に悪そうなどぎつい原色の菓子ばかりであった。
 風が体感できるバーチャルハンググライダーも面白そうだったが、ちょっと英会話の面で不安があり、プレイせず。
 もちろん、PCゲームのショップもあった。PCゲームについては、回を改めてレポートしたいと思う。
 ガイドブックに書いてあった、ギネスブックの博物館とトロカデロ・フードセンターは見つからなかった。探し方が悪かったのか……。
 このトロカデロ、遊園地やゲーセンが好きな人なら絶対訪れて損のないアミューズメントスポットといえるだろう。ここを紹介してくれたある知人には深く感謝したい。


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