戸高雅史 チョモランマ遠征レポート 98


ここでは、FOSの杉山さん、前田さんのご協力により、現在単独のチョモランマ登頂を目指している、
「日本FOS チョモランマ登山隊 1998」 
の戸高雅史氏とBCマネージャーの優美さんのレポートをお届けいたします。


レポートbU

FOSチョモランマ峰 登山結果

 8月4日、チョモランマ峰北西壁アドバンスベースキャンプ (ABC、5600m) 着。天候不順の8月
中は、チャングチェ峰 (6977m) で順応。6500m、6650m まで登り体調を整える。8月下旬、好天が
訪れる。
 8月29日、チャンチェ峰 (7583m) 西稜の基部に設けたC1 (5900m) から北西壁ジャパニーズ
クーロワールへアルパインスタイルでアタック。7100m 付近で氷の部分が多いことからアタック後
の下降の不安を感じ、下山。スノーシャワーも多く、このルートはなにか、しっくりとこなかった
のでルートをグレートクーロワールに変えることにし、雪の状態を調べる。
 そして、好天の訪れた9月14日、C1からアタックをかける。下部は左から回り込み、グレー
トクーロワールに入るラインをとり、14日、7600m にてビバーク。
 翌15日、8200m にてビバーク。
 16日、クーロワールの岩場を越える。約 8500m にて、2晩の寝袋なしのビバークで体調が万
全でなく、また、アルパインスタイルでの下降にもかなりの体力が必要なことから下山を決意。
 雪のゆるむ前になんとか北西壁を下降し、午後6時30分、優美のサポートを受けてC1へ帰着。
 9月22日、BCへ下山。24日、カトマンズ (ネパール) 着。9月30日、帰国予定。

 今回の登山では、チョモランマ峰の北西壁を登ることやABCでの暮らしを通して、山と自然
と、そして宇宙とじっくり対話できたように思います。登頂は成りませんでしたが、北西壁の大
雪壁をひとりで登りながら、本当に幸せを感じることができました。様々なことにもっと深く関
わってゆきたいとも思いました。少し時間をかけて時間をかけて整理し、改めて皆さんにご報告
したいと思います。いろいろと本当にありがとうございました。
                                      戸高 雅史