日本教員登山隊・スビダーニェ同人

 
 山 巓 

1.運命の雪稜
 「山渓」より2000年1月に「運命の雪稜」が出版された。「山渓」の前編集長,神長幹雄氏から、
当会会員の関係者に贈呈したいので関係者の氏名、住所を教えて欲しいとの連絡があり、その
直後に本が送られてきた。関係会員は12月には読み終えていると思うが、未だ読んでいない会
員の為に、紹介しておこう。

 中島修がナンガ・パルバットのシェルルート(南西稜)頂上直下で絶命したのは1990年8月18
日、10年前である。
 その中島、坂原とザイルを組んで登った成田泰樹は6年後、中島を追うようにして甲斐駒七丈
瀑で雪崩にやられ死んだ。
 この2名を「不条理の頂上台座 ナンガ・パルバット」として第1章で取り上げている。当時「山渓」
に載せた記事と、その後の中島康子氏の取材記事から構成された本文を、終章の本多勝一氏と
の対談文で意味付けを行う形で執筆されている。
 長年、朝日の新聞記者として批判的な遭難記事を書いてきた本多氏が《死を賭して限界を試み
るような遭難については、他人がどうのこうのというような対象ではなく、批判の圏外にあると思い
ます》と書いている。最近のヒマラヤ登山を「生物が一定方向に直心的に進化して歯止めが効か
ず、生存に不利になって自滅するという定向進化」と比喩する本多氏が、一方で批判の圏外とす
る中島修の死とは、何であったのか?

「運命の雪稜」 著者:神長幹雄 出版社:山と渓谷社 
         定価:1500円+税 発行日:2000年1月10日

2.報告書 出版

 昨年1999年の第2回チベット未踏峰遠征の報告書が、1月17日に完成した。
従来の報告書のように数年分の活動を記録したものではなく、第2回チベット遠征のみを取り上げ、
会報や新しい我々の専用ゲレンデ資料等を収録し60ページに収めた。
 写真も経費の都合でモノクロとし、チベット遠征に心底興味のある者だけに的を絞り、隊日誌中心
に編集した。中国政府の動きによってはこれが最後の17冊目の報告書になるやも知れず、断腸の
思いである。



2000年チベット計画 登山隊員募集中

  ニンチン・カンサ峰(7,206m) 登山計画  2000年 日本教員登山隊

1.登山隊組織
 派遣母体   日本教員登山隊 川崎市教員登山隊 スビダーニェ同人
 遠征隊名称  ニンチンカンサ峰 日本教員登山隊2000
2.目的
 チベット:ニンチン・カンサ峰(7.206m)東面からの登頂
3.日程
 7月下旬 〜 8月末
 カトマンズ〜ラサ〜BC
4.登山隊の構成
 隊長   坂原忠清
 隊員   募集中
5.現地連絡先
6.参加費 
7.連絡先 坂原忠清  私にメール(bunta@ps.ksky.ne.jp)を下さい。取り次ぎます。


Last modified: 2000/02/12
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