ヘルクレス座

Hercules(Her)
★20時南中:8月5日
★南中高度:82度
★肉眼星数:142個
★設定者 :プトレマイオス
★大きさの順位:5位
ギリシア神話の英雄ヘルクレスを形にした、大きさの割には余り目立たない星座
で、明るいアルクトゥールスとベガの間に、位置しています。ヘラクレスの体は、
天空で逆さまになっていて、頭は南のα星が、足は北側の星が表しています。

●ギリシャ神話の悲劇の英雄
ギリシャ神話の英雄となるヘルクレスは、ゼウスとアメーテルの間に生ま
れました。 しかしゼウス妃ヘラ嫉妬心から、呪いを掛けられてしまい、
そのせいで自分の子供と兄弟の子供を皆殺しにしてしまいました。
その罪を償うために、ヘルクレスは12の困難な冒険の旅に出たのです。
そして彼は12の苦行を全てクリアして、その後ディアネイラという、
美しい娘と結婚しました。
 ところが何年かが過ぎヘラクレスへの愛が薄れたディアネイラは、ヘラ
クレスの下着に密かに毒を塗りこみました。何も知らずにその下着を着た
ヘルクレスは、あっという間に全身に毒がまわり、苦しんだあげく、自ら
炎の中に飛び込んで死んでしまいました。それを天から見ていたゼウスが
ヘルクレスを天に上げ、星座にしたのだと言うことです。

●南中位置での見つけ方
1.先ずは天頂近くに昇ったラス・アルゲティを探してみましょう。
  南を向いたら、げんこつ7個分上を見上げると、3等星のラス・アル
  ゲチが見つかります。
2.次にヘルクレスの胴体の部分を、見つけます。
  ラス・アルゲチから北(上)へ、げんこつひとつ半の所を見てみまし
  ょう。ほぼ天頂に当たるこの場所に、6個の3等星が描き出す、少し
  真ん中がへこんだHの形が見つかります。ちょうど縦横げんこつひと
  つ半位の範囲になります。
3.ここまで見つけることが出来たならば、後は星座図を見ながら、丹念
  に手足を形作る星を、探してみましょう。  

★ヘルクレス座探検のポイント
■大球状星団M13
ヘルクレス座探検の一番のポイントと言えば、北天一の美しいと言われる
大型の球状星団M13でしょう。ヘラクレスが腰に巻き付けた獅子の皮の
あたり、ζ星の北のあって、双眼鏡で覗いてみると、縁のぼやけた小さな
丸い天体と見つけることができるでしょう。 この星団の正体は、年齢が
100億歳を越えるような年老いた星が数十万個も球状に集まったもので、
一個の大きさは太陽の直径の100倍位もある巨星たちです。

★α星(ラス・アルゲティ)
赤色巨星であり、変光星でもあります。大きさが変動するのに連れて、3等級から
4等級へと変光しますが、その周期は一定ではありません。
ラス・アルゲティという名前は、「ひざまずくものの頭」を意味する、アラビア語から
来ています。