★20時南中:2月15日
★南中高度:(北)83度
★肉眼星数:78個
★設定者 :プトレマイオス
山羊を抱きかかえている、老人の姿に描かれているぎょしゃ座は、ちょうど
将棋の駒のような五角形が特徴的な星座です。 真冬の宵には、天頂近く
に昇りますし、一等星のカペラが黄色く輝いているので、町明かりのある場
所で見上げても、すぐにそれだとわかる星座です。
 「ぎょしゃ」とは、4頭の馬がひく車の運転手のことです。カペラと五角形に
は、古代バイロニア人も注目をしていて、すでに子羊を抱えた老人の姿が
描かれていたと言います。 ところで、五角形の一番南の星は、厳密には
おうし座の角の星です。

●足が不自由なエリクトニオス王
 エリクトニオス王は、女神アテナと生まれつき足が不自由な鍛冶の神ファイ
ストスとの間に生まれました。そして父と同じくエリクトニオスも片足が不自由
だったのです。
 後にアテネの王となったエリクトニオスは、足の不自由さを補おうと、四頭の
馬に引かせる戦車を作って、街ちを乗り回しました。その姿を見たゼウスは、
エリクトニスを天にあげて、ぎょしゃ座にしたと言うことです。

●南中位置での探し方
1.まずは真北の昇った、一等星のカペカら探していきましょう。
  真北を向いたら、げんこつ8個分上を見上げると、薄黄色い一等星カペ
  ラが見つかります。

2.次はぎょしゃ座の象徴ともいえる五角形を探してみましょう。 カペラから、
  東(右)へげんこつひとつ分のところに、2等星が見つかります。この星と
  カペラを底辺として、南(上)にげんこつひとつ半、東西(横)にげんこつ
  ひとつの大きさで、少しいびつな五角形が見つかるでしょう。

3.最後は抱かれた子羊の部分です。カぺラの南(上)に、げんこつ半分の
  ところにげんこつ半分くらいの範囲で、細長い三角形に3等星が並んで
  います。

★ぎょしゃ座ウォッチングのポイント
●散開星団トリオM36,37,38
 ぎょしゃ座の五角形の近くには、比較的明るくて見つけやすい散開星団が
3っならんでいます。双眼鏡で観察すれば、3っまとめて観察することも可能で、
大きさや明るさを比較することができます。

●α星(カペラ
 ぎょしゃ座のα星カペラは、全天で6番目に明るい0.1等級です。肉眼で観察
すると黄色っぽく見えるでしょう。実際には分光連星といって、黄色い二つの
巨星が104日の周期でめぐり合っています。地球からの距離はおよそ42光年です。