Taurus(Tau):BUll
★20時南中:1月24日
★南中高度:73度
★肉眼星数:143個
★設定者 :プトレマイオス


冬の夕暮どきに、いつも頭上近くに見えているのが おうし座の

有名なプレセアス星団とヒアデス星団です。  2本の立派な角を
ふりかざして、すぐ隣で棍棒を 振り上げている、狩人オリオンに挑み
かかる勢いの おうし座の姿は、まずプレセアス星団とヒアデス星団を
目印にして捜し出すと解りやすいでしょう。

●フェニキア王女のエウローペを求めて、牡牛になったゼウス。  
大神ゼウスは、草原で花を摘んでいたフェニキアの 美しき王女エウロ
ーペに、ひとめで心ひかれてしまいま した。 そこでゼウスは純白の
牡牛に姿をかえて、エウロ ーペに近づきました。 はじめのうちはびっく
りしていたエウローペも、穏やかで 優しい眼差しに、次第に心を許すよ
うになりました。そし て、誘われるがままに背中にのると、牡牛は突然走
りだし し、遥か地中海を渡って、王女をクレタ島へと、連れ去っ てしまい
ました。 エウローペは、元の姿に戻ったゼウスと、クレタ島で暮ら して、
のちにクレタ島の王となるミノスを産みました。


●南中位置での探し方。
1.まず最初に、真南に昇ったアルデバランを探してみま しょう。 
  真南をむいたなら、地平からげんこつ7つ上を探しましょう。アルデバ
  ランを左上としてげんこつ半分くらいの大きさのV字型が見つかり
  ます。
2.次は、角の部分を探しましょう。V字の両端にあるアルデバランともう
  ひとつの星から、北東(左上)にげんこつひとつ半のところに、左右の
  角の先の星が輝いています。
3.最後に胴体の部分を探してみましょう。ヒヤデス星団北西から(右上)へ、
  げんこつひとつのところにプレアデスがあります。また、ヒヤデスの要
  の星から西(右)へげんこつひとつ半のところに、ふたつの四等星が
  輝いています。この3っを結んで描きだされる三角形が胴体の部分に
  なります。

●おうし座ウォッチングのポイント。
・V字形の散開星団ヒヤデス  
おうし座の顔のぶぶんにあたるV字形の散開星団です。  
1等星アルデバランもともなう贅沢な輝きですが、実際 にはアルデバランは
随分手前にある星なので、ヒヤデス とは関係がありません。肉眼ではっきりと
確認できるほどに、明るく大きいので、双眼鏡くらいの倍率で見るの が、いち
ばん美しいかもしれません。

・すばるの名で有名なプレアデス散開星団。  
おうし座の背中の部分に輝く、散開星団です。肉眼で観察しても5〜6個の
星をぼんやりと見ることができますが双眼鏡で観察すると、その美しさに魅了
されます。  日本では「すばる」の名で、よく知られています。


・α星(アルデバラン)
 牡牛の左眼のあたりで輝くこの星は、0.75等級から0.95等級の範囲で、不規則
的に光度を変化させる赤色巨星です。輝いている場所から、ヒアデス星団の一員
のようにも感じられますが実はそれよりもずっと地球に近くて、6.5光年の距離に
あります。


・θ(シータ)星
 ヒアデス星団に属している、離角の大きな二重星です。視力の良い人であれば
肉眼でも分離することができるでしょう。θ1星は3.8等級の黄色巨星で、θ2星は
3.4等級の白色巨星です。ヒアデス星団の中では一番明るく輝いていますので、
見つけやすいでしょう。