〜 物語 〜
ひとりの青年アガン・ウコーツは、最愛の女性の死を免れる為に、魔族召還による蘇生を試みてしまった。
長い平和の中で人々の信仰が薄れていた神には、魔族で溢れかえる国を守る力は無かった。
目的を果たせぬまま邪悪な力で異国の地へ飛ばされたアガンは、この国に空から舞い降り、王位を奪った。人々は彼を神の使いであると恐れ、ひれ伏した。
アガンは近隣諸国を侵略する中で、呪われた王国の莫大な財宝の話を目的に、その地へ攻め入った。
そこはかつて彼自身が滅ぼしてしまった故郷であった。
彼は驚愕し、財宝の事など忘れて、異常なほどの執拗さでその国を魔族から解放しようと進軍させた。
相手は強力で、とうとう総力戦を決意したが、その夜、商人に差し出された勝利を約束すると云う呪いの仮面をつけてしまった。
商人は異形の姿に変わり、笑い声を残し消え去った。
以来アガンは物思いにふけり、言葉もなく、ただ座り続けているだけだ。
かしくて、呪われた王国を魔族から開放すれば、王の呪いも解け、莫大な財宝か報酬が手に入るとの噂が広まり、街には冒険者が集まってきた。
|