〜 10月16日 〜


どう? みより、少しはうまくなった?
うん・・・・・・まだ。
まだけっこう皮に身がついちゃってるね。それでも最初よりはずいぶん良くなってるけど。
だってぇ。ジャガイモって、でこぼこしてて剥きにくいんだもん。
だから練習になるんでしょ。ちゃんと包丁使えるようになんないと。
でもみよりさん、今日は手を怪我してしまいましたから・・・・・・。
あらら。みよりって、もともとそんな不器用でもないと思うなんだけどなあ。
包丁が手に合わないのでしょうか? こちらの小さいキッチンナイフを使ってみますか?
メルルがよく使ってる方? あたしはどっちかっていうと文化包丁の方が使いやすいけど。
じゃあ貸して?・・・・・・やっぱり、包丁の方がいいかなー? 力が入んないよ。
そうですか?
メルルは根本的にやり方が違うもんね〜。根野菜くらいなら、まな板も使わずに切っちゃうんだもん。
ええ。うちのシェフがよくそうやって切っていたものですから。
メルルちゃんちって、お抱えのコックさんまでいるの!?
はい。私もよく時間を見つけてはお料理を教えていただきました。
だからそんな上手なんだ♪ でもピアノもやってたんじゃ、指を怪我するような事ってまずかったんじゃないの?
そうですね。でも私の場合はたしなみとして修めただけですから。お料理の方が好きでしたし。
好きだと、やっぱり上手になれるのかなあ?
はい。なれると思います。
そだね。・・・・・・ところでこのジャガイモの山、どーしよ?
あ、そういえばずっとジャガイモしか剥いてませんでしたね。
えっとー・・・・・・じゃあカレーに入れる?
・・・・・・。とりあえずポテトサラダでも作ってみようか? それならさすがにみよりでも失敗しないと思うし。まあ、ほんとは皮つきのまま茹でたほうがいんだけどねー。
そうなの!?
そのほうがおいしいんですよ。余った分はあとでドフィーヌ(マッシュポテトのドーナッツ)かマロンムースにしましょうね。ご主人様、甘いものがお好きですから。
うん、知ってる・・・・・・。せっかく秋なんだから、マロンムースがいいな☆
みゃあぁ (すりすり)
きゃっ。みゃあちゃんいつ来たの!?
ふみゃああ〜♪ (すりすり)
みゃあちゃんも甘いものが好きなんですよね。
じゃあ、みゃあちゃんの分は特別にいっぱいお砂糖いれてあげるね☆
みよりぃ。甘くするには砂糖いれればいいってもんでもないんだよ。
あれ?
はい。それぞれ素材の持ち味がありますから。たとえばお砂糖の代わりにジャムやココナッツミルクを使いますと、一味違ったものを作れますよ。バニラエッセンスやレモンエッセンスを少量入れると、香りと甘さが引き立ちますし。お菓子も甘いだけでは飽きてしまいますから、青リンゴなどで酸味を出すのもいいと思います。
あとねー、たとえばカレーとかだったら、タマネギ炒めただけでもけっこう甘くなるもんだし。チョコなんて、コクを出すのにひとかけらでいんだよ。醤油ベースの煮物だと、砂糖いれすぎるとべたべたしてきちゃうから、代わりにダシを濃いめにしてみたり。
(めもめも)
肉料理はまた話が違ってきますが・・・・・・とりあえず、今日はサラダとムースを作ってみましょうか。
うん☆
じゃあねー、一度に両方やると混乱しちゃうだろから、まずサラダからね。適当に切ったジャガイモを茹でて・・・・・・。
うんうん。 (トン、トン・・・・・・ぽちゃぽちゃ。ぐつぐつ)
あ、その間にこちらでは栗を蒸しておきますね。
うん。あ、あといちょう切りにしたニンジンとリンゴも入れよっかな。それと生ハムがあったよね。
いちょう切りって?
輪切りにして、それをさらに四つ切りにするの。それくらいならできるでしょ?
・・・・・・で、茹で上がったら、冷めないうちにドレッシングを少しと塩コショウをからめて、角がとれる程度につぶす、と。それからニンジンとリンゴを混ぜる・・・・・・べつに、コーンとかタマネギとかでもいーよ。で、マヨネーズを適量と、マスタードを少しだけ入れて混ぜる。最後に生ハムをこうやって指で巻いて4つほど飾りつけて、パセリを添えてできあがり。簡単でしょ?
それではマロンムースの手順もご説明しますね。厳密に計る必要はないと思いますが、いちおう分量もお教えいたしますね。メモのご用意はよろしいですか?
まず、マッシュポテトにしたジャガイモが150g、裏ごしした栗を150g、牛乳100ml、お砂糖大さじ5杯をお鍋に入れてかきまぜながら火にかけます。沸騰したら火を止めて、ゼラチン小さじ2杯ほどを加えます。
ちなみに、このへんはゼリーとかでもいっしょだよ。要するに、果汁と砂糖とゼラチンを混ぜるってことね。
そうしたらそれをボールに移して、オレンジリキュール大さじ2杯とレモンエッセンス少々を加えて、外側から冷水で冷やします。冷えてとろみがついてきたら、泡立てた生クリーム250mlを加えて混ぜてください。それを型に入れて、冷蔵庫で固まるまで冷やせばできあがりです。だいたいこれで4、5人分くらいの量ですね。お好みで砂糖やリキュールの量などは加減してみてください。あと、生クリームによく空気を含ませると、やわらかく仕上がりますよ。
・・・・・・????
よく分かりませんでしたか? それでは手順を書いてさしあげますね。少し面倒かもしれませんが、実際には大した手間はかからないんですよ。
あ、そろそろいんじゃないかな? ジャガイモ。みより、あと自分でやってみる?
う、うん・・・・・・。
お手伝いしましょうか?
えっと・・・・・・ううん、自分でやってみる!
忘れないでね、料理は愛情、だよ。
うん☆
〜〜〜〜〜夕食〜〜〜〜〜
じゃあ、デザート持って来るね☆ (とことこ)
ご主人様、今日は、みよりさんがサラダとデザートを作ったんですよ。
・・・・・・まじ?
サラダはよく出来てた思うけど?
うん・・・・・・そーだな。失敗するのもそれはそれですごいと思うが。
ムースはどうかなあ? でも、みよりだって頑張ってるし。
それは認めるけどさ、べつにムリする事もないんじゃないか? 女の子は料理できないとなんて言わないし。まあ、女だろーが男だろーが、できるに越した事はないし、みよりの場合、職業的にできないとまずいんじゃないかって気がしないでもないが。
どっちなのよ。
でも私、やっぱり好きな方にはおいしいお料理を作ってさしあげたいと思いますから・・・・・・。
そだね。それになんだかんだ言っても、男の子って、お料理してくれる女の子に弱いでしょ?
・・・・・・まーな(苦笑)。
お待たせ!
(ひそひそ)色と形は普通だな・・・・・・けど塩と砂糖間違えたってパターンかも・・・・・・。
(ぜんぜん否定できないかも)。
ご主人様、食べてみて☆ わたし一生懸命作ったんだから!
ふみゃん。・・・・・・みゃあ
・・・・・・あ♪ う!?
う・・・・・・な、なんだ、この甘さは・・・・・・。・・・・・・けっこううまいけど。
ほんと!?
えー、いくらなんでも甘すぎない!?
そうですね。思ったより栗が甘かったんでしょうか?
え、えっと・・・・・・砂糖とリキュールは好みで言ってたから・・・・・・ご主人様、甘いの好きだし、お酒飲まないし・・・・・・。
あの、リキュールを入れないと甘くなりすぎてしまうんですが・・・・・・。
あっ、でもちょっとは入れたよ。・・・・・・ちょっとだけ・・・・・・。
まあいいじゃん。確かに甘すぎるとは思うけど、砂糖なしの紅茶でもあればちょうどいいし。
あ、じゃあ煎れてきてあげる! (たったったったっ・・・・・・)
(ひそひそ)・・・・・・なんか、わかったような気がするなあ。
(つられてひそひそ)なにがですか?
(ひそひそ)みよりが作るとなんでも甘くなる理由。・・・・・・愛情が溢れすぎてるんじゃない?
(ひそひそ)あの・・・・・・愛情を表すには、甘い方がいいんでしょうか(真剣)?
(ひそひそ)え? まあ、好きなひとの好きものを作ってあげるのがいちばんだろけど・・・・・・。
そうですね! 料理は愛情なんですよね、ご主人様
はあ?? なんだそりゃ、いきなり・・・・・・?



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