8.宇宙戦艦


 宇宙戦艦の開発は、総合軍事産業フォルモーント社が地球統一連邦政府に提示した開発プランを元にして行われます。フォルモーント社は地球統一連邦政府のみならず、セレスティア共和国を始めとする新国家とも破格の安値で自社艦艇のライセンス契約を結んでおり、一時的に軍艦市場はフォルモーント社の独占状態となっています。(これまでは地方自治区では、政府の正式プランから漏れた社の艦艇を採算ラインぎりぎりの価格で採用するのが通例でした。これにより、各社の最低限の競争力を維持していたのです)
 フォルモーント・プランにおける艦艇は、スペックこそ競合プランのそれに勝るものではありませんでしたが、艦艇各部のユニット化が極めて進んでおり、生産性が非常に高いのが特徴です。
 すでに試作艦はフォルモーント社で完成していますので、各国で行われる「兵器開発」は、国家の技術レベルをこれらの艦艇が量産可能なレベルまで高める事が目標となります。こうして開発された艦艇は、フォルモーント社の試作1番艦の名をもって呼称されます。


 ここでは、ゲーム序盤に登場する艦艇をご紹介します。



◆レベリギウス級重巡洋艦

 エルガレイオン社製の名艦。
 フォルモーント・プラン以前に採用されていたもので、巡洋艦の運用性により強力な火力をというコンセプトの元に開発された中途半端な位置づけの艦艇だが、予想以上に性能が良好だったため長い間宇宙軍の主力艦として用いられた。搭載兵装、操艦性ともに癖がなく、何度も改良を重ねられてきただけに信頼性も高い。
 とはいえ、S.C.522の時点ではすでに用いられている技術や基本設計に隔世の感があり、フォルモーント・プランによる次世代艦配備までの「つなぎ」として見られるようになりつつある。
 この艦の窮屈な居住性は下士官の間で愛すべき下品なジョークの素材となっており、年配の司令官にはその無骨な外見に愛着をもつ者も多いらしい。




◆スコル級駆逐艦

 フォルモーント・プランにおけるユニット化艦艇の基本形。
 機動力の確保を最優先に設計されているため兵装積載能力は低く、その積載スペースも大半は小型対空ミサイルおよびAMM(Anti Missile-Missile)に回されており、対艦兵装としては艦首のビーム砲がメインになる。
 装甲素材も安価なもので防御力はいささか心もとないが、対空装備が充実しているため艦載機やデブリへの対応能力は高い。これは設計時に想定された主任務が艦載機母艦や戦艦の直衛だったためなのだが、のちにヴァルハラ級空母が開発されると、スコル級駆逐艦の対空防御能力と機動力は、艦載機母艦に対する最も有効な対抗手段となりえる事が判明する。
 なお、艦上面後部に設けられたブロックは、ブリッヂではなく居住ブロックである。機能上、宇宙戦艦には海上艦のような「有視界」を前提とした独立ブリッヂを設置する意味は皆無であり、むしろ(確率上の誤差程度とはいえ)被弾面積を増やすだけなのだが、それをあえてこうしたデザインとしたのは、緊急時に居住ブロックを脱出ポッドとしてパージしやすいようにするためと、設計者のデザイン上の「こだわり」のためだったらしい。




◆フレスヴェルグ級巡洋艦

 艦隊編成の基本となる、全ての能力が平均的な艦艇。特筆すべきは建造コストの安さで、通常最も多く配備される可能性のある艦種としては、これは大きなアドバンテージである。
 基本フレームはスコル級駆逐艦のものを拡張して再設計されおり、主砲の加速路の延長により弾速・精度が向上したほか、艦のサバイバリティを最適化するためにフレキシブル・ブロックの配置変更や装甲の追加が施されている。装甲素材自体も一ランクの上のものになり、スコル級では積載スペースの問題のため搭載できなかった対艦巡航ミサイルも、少数ではあるが標準装備となっている。
 高い汎用性をもち、これといって目立つ弱点もないが、大型艦に比べると力不足の感もある。




 艦艇の開発には順番にステップを踏む必要があります。駆逐艦や巡洋艦の研究によって技術が蓄積されていなければ、戦艦や空母を開発する事はできません。
 艦艇の兵装には、ビーム、ミサイル、レールガン、艦載機の4種類があり、それぞれについて攻撃力と防御力が定められています。この兵装と機動力の差によって、艦艇間にはある種の相性が出てきます。
 基本的には後から登場する艦艇のほうが強力ですが、相手によっては高いコストを支払って戦艦を揃えるより、安価な駆逐艦で機動戦に持ち込んだほうが有利になる事もあるのです。
 また、相手にもよりますが、概して特定の兵装のみ強力な艦艇は最大ダメージが大きく、バランス型の兵装をもった艦艇は最低ダメージが大きくなっています。


 なお、登場艦艇には全て背景設定があり、開発が完了したものからそれを閲覧する事ができるようになります。


BACK    NEXT