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PCよもやま話 No.19・Windows2000ファーストインプレッション 2000/02/20 (2000/02/22修正)
Windows2000発売

 去る2/18に、Microsoftから満を持して発売されたWindows2000Professional版をさっそく購入し、メインマシン・"sakurako"に導入してみた。
 インストールはまったく問題なく完了し、Windows98とのデュアルブート環境が構築できた。ACPIも、きちんと有効になった。
 このページでは、インストール後の状況と、使用してみた第一印象をレポートしてみたいと思う。

ハードウェアの状況

 ハードウェアデバイスについては、いくつかWindows2000に対応していないものがあった。

 まず、Canopus製のISAのチューナーカード・TV Tuner/Vは、予想通り動作しなかった。このカードはかなり古い製品であり、NTにも対応していないので、諦めるしかないだろう。ビデオデッキをチューナー代わりに使おうと思う。

 また、ビデオキャプチャカードのI-O DATAGV-VCP/PCIも、ドライバがまだ提供されていない。Windows2000対応予定とのことなので、しばらくこのまま待ちたい。

 トラブルに見舞われたのは、QVisionの古いSCSIカード・SCSIStar/FL(Western Digitalチップ)である。Windows2000用のドライバがないため、NT4.0用のドライバを組み込んだところ、いっけん動作しているように見えたのだが、とても不安定なのである。Western DigitalはSCSIコントローラから撤退したため、リファレンスドライバも提供されていない。
 これについては、SCSIカードをIOI4203U(initioチップ)に交換することで、安定動作するようになった。

 サウンドカードのAOpenAW724(YAMAHA YMF-724チップ)は、Windows2000付属ドライバで正常に動作した。ただし、ハードウェアMIDIによる再生は、このドライバではサポートされていない。メーカーによるサポートを期待したい。

 NICのPlanexFNW-9700Tは、メーカー提供のベータ版ドライバで動作している。

 Matroxのビデオカード・G200(AGP、SDRAM 8MB)は、同じくメーカー提供のベータ版ドライバ(500.2195.1010、2000/02/04版)で動作している。ただ、いままで使用していた1280*960の解像度が、使用できなくなってしまった。標準で使用可能な1280*1024だと、アスペクト比が4:3でないのと、文字が小さくなってしまうのが若干不満なので、いろいろと調べてみた。結果として、INFファイルを書き換えることで1280*960が表示できるようになった。
 参考になるかもしれないので、いちおうそのやり方を書いておこうと思う。ベータ版ドライバのINFファイルを開き、斜体の行を、次のように書き換える。3箇所存在するが、G200は1647行目、G400なら2023行目である。
オリジナル
%R_1280x_720%,%R_1280x_720a%,%R_1280x_720b%,%R_1280x_720c%,\
%R_1280x_800%,%R_1280x_800a%,%R_1280x_800b%,%R_1280x_800c%,\
%R_1280x1024%,%R_1280x1024a%,%R_1280x1024b%,%R_1280x1024c%,\
修正後
%R_1280x_720%,%R_1280x_720a%,%R_1280x_720b%,%R_1280x_720c%,\
%R_1280x_960%,%R_1280x_960a%,%R_1280x_960b%,%R_1280x_960c%,\
%R_1280x1024%,%R_1280x1024a%,%R_1280x1024b%,%R_1280x1024c%,\
 なお、書き換えと導入は、自己責任で行なって欲しい。
 どころで、Windows2000付属のG200用ドライバでは、まったく使用価値のないと思われる妙な解像度が数多くサポートされているのだが、これはどういうことなのであろうか……。

 外付け機器では、RolandのMIDI音源・SC-8820が、USB接続では動かなくなってしまった。USB用のドライバをインストールしようとしても、エラーが出てしまう。
 シリアル接続用のWindows2000ドライバは、すでにRolandのサイトで公開されている。おそらく近日中にUSB接続もサポートされるだろう。それまで待つか、とりあえずシリアル接続で使うか、どちらかにしたいと思う。

 プリンタは、HPDeskJet720Cなのだが、Windows2000のドライバで動作した。

ソフトウェアの状況

 ソフトウェアは、Windows98で使用していたものが、おおむね正常に動作している。なお、インストールは新規に行なっている。

 Netscape Navigatorは、標準のブラウザとして設定した場合に、Navigatorが起動している状態でエクスプローラーからHTMLファイルをダブルクリックしても、そのファイルが表示されないというトラブルが起きた。
 これは、DDEの設定が誤っているための現象だった。次の手順で修正できる。
 まず、エクスプローラーのツールメニューからフォルダオプションを選択し、ファイルタイプタブでHTMLを選択。次に、詳細設定ボタンを押してファイルタイプの編集ダイアログを開き、アクション「open」を選択して編集ボタンを押す。アクションの編集ダイアログが開くので、アプリケーション欄を「NSShell」に書き換える。順次OKを押して閉じれば完了である。

 AdobeAcrobatReader 4.0は、インストール時にエラーが表示されるものの、正常に動作した。

 PostPet 2.0は、本体は正常に動作するものの、2.02へのアップデータが動かない。すでに2.02にアップグレード済みのWindows98から、EXEのみコピーすることで対応した。

 その他、パッケージソフトでは、Microsoft Office 2000、Adobe Photoshop 5.0 LE、Microsoft Bookshelf 2.0、ALPS プロアトラス98などが正常に動作した。

 フリーウェア・シェアウェアでは、AnHttpdが、設定ダイアログで設定を保存する際などに落ちてしまう。
 秀丸、秀Term Evolution、LHmelt、GV、susie、TMIDI、Chocoaなどは正常に動作している。

 DirectXを使うようなアプリケーションはインストールしていないので、DirectX系の互換性についてはわからない。

使用感

 Windows2000導入直後はたいへん不安定だったため、Windows2000の安定度はこんなものなのかと愕然としたのだが、実はSCSIカードが原因だった。SCSIカードを交換してからは、おおむね安定して動作している。
 アプリケーションは、Windows2000未対応のものでもかなりの確率で動作するようだが、さすがに一部のアプリケーションを導入すると不安定になることがあるようだ。
 気になったのは、そういった不安定なアプリケーションを間違って動かしてしまったときに、リセットボタンを押すしかない状態に何度かおちいったことだ。Windows2000はプロセス間の独立と、安定性をうたっているだけに、残念である。

 ハードウェアのサポート状況を見ると、新しいOSとしてはかなりのデバイスがサポートされている。もっともMicrosoftの新OSであるから、当然といえば当然だが……。ただ、Windows98のWDMドライバが使用できないケースがあるのは困ったものだ。

 動作速度は、意外に高速である。少なくとも、エディタで文書作成、ブラウザでネットサーフィンなどを行なっている限りでは、Windows98より遅くなったと感じる場面はほとんどない。メモリ容量は128MBなのだが、この程度あれば、ほぼ問題ないようだ。

 Windows2000の新機能として、休止状態がある。これは、メモリ上の内容をすべてHDDに書き出して、PCの電源を完全に落としてしまうという機能だ。次に電源を入れると、HDDからメモリデータを読み出し、元の状態に復帰する。いままでは一般的にはノートPCでしかサポートされていなかったのだが、デスクトップPCでも使用できるようになったのだ。
 Windows2000になってから起動に時間がかかるようになったこともあり、なかなか便利な機能である。私の環境では、いまのところ安定して動作している。

 メモリを保持したまま低消費電力状態に移行するスタンバイも同様にサポートされている。ただ、私の環境でもいちおう動作したものの、電源の規格が古いためか電源ファンが停止しないなど、いまひとつ省電力効果に欠けていた。

 Windows98の後継ではなく、WindowsNT 4.0の新バージョンであることから、OSのとっつきにくさは、Windows98よりも強い。たとえば、ダイヤルアップ接続の設定をみても、Windows98よりも設定項目が大幅に増えている。PCとその周辺技術について、ある程度の知識がないと、安易にアップグレードするのは危険だと思われる。
 そういう意味では、使いこなすためには勉強が必要ともいえる。さいわいWindows2000関連サイトは数多く開設されているので、まずはそのあたりから始めるのが良さそうだ(いわゆる「教えて君」が各所の掲示板などに蔓延しないといいのだが……)。

 全体としてみると、とにかく高機能なOSといえるだろう。よくもまあこれだけ詰め込んだものである。ただ、それに対して、細かい部分はおざなりになっている印象を受ける。たとえば、各所で表示されるヒントのフォントが、まちまちだったりする。また、すでにMicrosoft自身から、いくつかバグも公表されている。

まとめ――乗り換えの価値はあるのか?

 いままでWindowsNT 4.0を使用していたユーザーなら、乗り換える価値はあると思う。Windows2000は、外見こそWindows98に似ているものの、内部はWindowsNTに近い。戸惑うことなく、Windows2000を使いこなすことができるはずだ。もともとNTのユーザーなら、いま使っているデバイスについても、メーカーのサポートが期待できる。Windows2000で使えなくなる、という可能性も低いはずだ。

 Windows98を使っていたユーザーで、ゲーム以外が主用途であり、不安定に悩まされていたなら、Windows2000へのアップグレードを検討してもよいだろう。ただし、使用している周辺機器とアプリケーションのWindows2000への対応状況は、確認する必要がある。
 Windows98で特に不満がないなら、アップグレードする必要はまったくないだろう。

 ゲームユーザーは、DirectX系の互換性に問題があるらしいので、当面アップグレード禁止である。Windows98でしかサポートされないようなマルチメディア系周辺機器を使っているユーザーも同様である。ゲームメーカーやビデオカードベンダー、周辺機器メーカーの対応が進んでからで遅くない。

 最後に、あたらしもの好きのPCフリークなら、即アップグレードしていろいろ苦しみ、情報提供するのが責務であるといえよう。

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