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PCよもやま話 No.15・電源ファンの交換 1999/02/09
■寒いとうるさいPC
 暦の上ではもう春だが、まだまだ寒い日が続いている。
 クロックアップしたCPUや、高回転なHDDなどの放熱には苦労するだけに、寒ければ寒いほど、PCにとっては良さそうなものだが、寒いとうるさいPCというのがこの世には存在する。
 ほかならぬ筆者のPCがそうであった。

 筆者の場合、その騒音源は電源であった。
 この電源、もともとは筆者がパーツをみつくろって、知人に組み立てたPCのケースに付属していた電源である。
 知人から異音が出ていると聞き、パーツ選択の責任を取るようなかたちで、(おそらく修理できるだろうという目算もあって)とりあえず筆者のPCの電源と交換することにしたのだった。

 そのケースは、それほど高価なものでもなかったので、電源も安物なのだろう。
 知人はPCは道具として使うだけなので、めったにケースを開けることもない。そこで、外見を重視したのが間違いだったらしい。いちおう買う前に、ショップの店員にケースのできについて尋ねて、それほど問題ないと聞いていたのだが……。

 それはさておき、暖まれば騒音は収まるし、サブマシンなので毎日使うわけでもない。交換後もしばらくは放っておいた。だが……気候が寒くなってくると異音が止まるまでの時間も長くなり、やはりうるさい。先日、思い立って修理を試みることにした。

■ファンの交換
 騒音の出ている場所と「ガー」という音の感じからいって、原因はファンに間違いないだろう。
 とりあえず、ケースから電源を取り外す。
 まずは、ファンがきちんと固定されておらず、騒音が発生していることを想定して、ファンを留めているネジを締め直してみた。が、通電してみると状況は改善されていない
 そこで、電源を分解することにした。電源は「はがすと保証が無効になります」というシールで封印されていたが、ショップの保証期間はすでに過ぎていたので、割り切ってはがすことにする。
 電源のふたを開けてみると、ファンは8cm角12V駆動のものだった。2ピンのコネクタで、電源回路の基盤に接続されていた。
 そういえば……と、手持ちの部品を調べてみると、以前某PC-98を処分するとき、筐体から外してとっておいたファンが見つかった。確かめてみると、幸運なことにサイズ・電圧ともにぴったりである。電流も0.1A程度でほぼ同じ。松下製のPanafloブランドのものだった。

 電源本体からファンを外して、ファンとコネクタとの間の導線を切断し、Panafloファンに繋ぎ変えた。導線の接続部分にはショートしないように熱収縮チューブをかぶせる。そして、方向に注意して電源本体にふたたび組み込んだ。
 とりあえずふたを開けたまま、内部に触らないように気をつけながら通電してみると、ファンは無事に回転した。音もならない。

 単体での動作を確認後、電源のふたを元通り組み立て、さらにケースに組み込んだ。
 各パーツとマザーボードの電源コネクタを接続し、通電してみると、PCはなにごともなく起動した。音もまったく気にならなくなった。ファン交換は大成功である。

■最後に
 寒さと騒音だが、知人のところでも寒いと騒音が発生しているというし、掲示板でも同様の記事をいくつか目にしたので、決して珍しい現象ではないようだ。また、電源によっては、もともと付属しているファンがうるさいという場合もあるだろう。
 そんなときには、思い切ってファンを交換してみるのも良いかもしれない。
 ただ、電源のふたを開けるのは、当然保証外の行為である。電源内部には100Vが流れているので、発火・火災などの危険も大きい。改造は個人の責任で行なって欲しい。保証期間中なら、ショップにクレームをつけるのが賢明だろう。改造時にはくれぐれも注意していただきたい。
 なお、ファン自体の風量にも注意が必要である。十分な放熱ができなくなってしまっては、本末転倒である。

 自作派AT互換機ユーザーなら、メーカー製のPCを廃棄する機会でもあれば、FDDやHDD、各種カード類などのパーツは、ことごとく取り外してから処分するだろう。しかし、マザーボードや電源などは、形状が特殊なこともあって、そのまま処分することも多いと思う。
 もう一歩進めて、電源内部のファンなども取り外しておくと、あとで役に立つかもしれない(どうせ捨てるものなら保証うんぬんの問題もない)。ファンも、秋葉原で購入すれば\1,000程度はする。3.5インチベイのHDDの冷却などに使うなら、風量などにそれほど神経質になることもないので、有効に使えることだろう。

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