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PCよもやま話 No.12・見えマウスとFIRST Mouse+
1998/08/10
■スクロール機能付きマウス
筆者は、以前からメインマシン"Sakurako"でマイクロソフトのホイール付きマウス・IntelliMouseを愛用している。しかし、最近になって、いろいろと似たようなスクロール機能付きのマウスが出回ってきた。スクロールさせるためのデバイスもホイール、スティック、ボタンなどと多種多様である。
今回、そんなマウスの中から、わりとメジャーな二製品を相次いで購入したので、ここでレポートしてみたいと思う。
■アスキー・見えマウス
先日、サブマシン"Kaede"にもホイール付きマウスを装備しようと思っていたところに、アスキーの見えマウスが安く売られているのを見つけた。T-ZONEアップグレードギャラリーにてバルク品が\2,980である。
このマウス、文字通り「球が見える」という外見が、以前から気になっていた。通常のマウス本体の前方に、付け加えるような形で透明なプラスチックのドーム状の部分があり、そこにマウスの球が納められているのだ。そして、マウスを動かすと球が回転する様子が見えるという。なかなか怪しげである(外見についてはアスキーのサイトを参照のこと)。
調べてみると、Windows98のドライバはまだ提供されていないようだが、マイクロソフトのIntelliMouse互換モードもあるようなので問題はないだろう(Windows98はIntelliMouseのホイールにはネイティブ対応している)。
スクロールデバイス(?)がホイールではなくスティックなのが一抹の不安だが、これはこれで、かえって楽かもしれない……。
ということで、買い求めてきた。
早速、メインマシン"Sakurako"のIntelliMouseと交換してみる。む、むむむ……操作性が悪い。カーソルが思うように動かない。これは困った。スクロールうんぬん以前の問題である。
分析してみると、見えマウスの売りであるマウスの球の位置が悪いらしい。
ごく普通のマウスを操作するときには、手の重さをマウスの上に乗せる形になる。すると、自然にマウス本体の球周辺をしっかりパッドに押しつけた状態で動かすことができる。しかし、球が前方に位置する見えマウスの場合、意識してマウス本体を握って、球周辺に下向きの力をかける必要があるようだ。そうしないと、マウス前方の球周辺に力がかからずに浮き上がってしまい、球の動きが悪くなるのだ。
普通のマウスを1〜2mm浮かせて操作してみると、見えマウスの操作性の悪さが実感してもらえると思う。
さらに、スティックもいまひとつであった。これまた操作性が悪く、思うようにスクロールできないのである。
まず、このスティックは「上−ニュートラル−下」の三段階しか検出できない。無段階調節とはいわないまでも、せめて五段階で速度調節ができればよかった。
また、このスティックの動作は、「上」に入れるとスクロールし始め、しばらくそのままにしておくと高速でスクロールする。ちょうど、キーボードのキーがオートリピートするような感じである。しかし、そのリピートの具合も好みに合わない。入れた直後のスクロールは遅すぎ、速くなるまでの時間は長すぎ、速くなったらなったでスクロールが速すぎるのである。
ちなみに、OSはWindows98で、見えマウスのドライバはインストールしていない。そのため、この動きはIntelliMouse互換モードでの動作ということになる。専用ドライバを導入したときの操作性はもっとマシなのかもしれない(が、Windows98のドライバが提供されていないので試しようがない)。
マウス本体が上下に長いのも思わぬ欠点だった。小さめのマウスパッドだと、はみ出してしまう。これも操作性以前の問題である。
ということで、個人的には見えマウスは大外れだった。操作性よりもデザインを優先した悪い見本といえるだろう。
カーソル移動とともにマウス評価のポイントであるスイッチの感触がなかなかよかっただけに、残念である。
■ロジクール・FIRST Mouse+
さて、見えマウスで懲りた私は、今度はロジクール(海外でいうLogitech)のFIRST Mouse+を購入してみた。このマウスは、友人のトイさんおすすめの品である。地元の電器店でリテール版が\3,980だった。
ちなみに、IntelliMouse100%互換だそうである。そのため、ドライバは今回も導入していない。
ふたたび"Sakurako"のIntelliMouseと交換してみる。……ふむ、なかなかである。
カーソルの操作性はまずまずである。思い通りにカーソルを動かすことができる。やはりマウスはこうでなくては……というか、これが普通である(苦笑)。
ホイールは、IntelliMouseとは操作感が違う。IntelliMouseが「かこかこ」なのに対して、FIRST Mouse+は「しゃかしゃか」という感じだろうか。FIRST Mouse+のほうがクリック感に乏しいぶん、スムーズに回転できる。個人的にはどちらも一長一短と感じた。
スイッチは、FIRST Mouse+のものはストロークが深いように思える。これは、私としてはIntelliMouseのもののほうが好みだが、人によっても違うだろう。決してFIRST Mouse+のスイッチが押しにくいわけではない。
FIRST Mouse+のほうが劣るのは、全体的な質感である。IntelliMouseが厚手のプラスチックでしっかりと作られているのに対して、FIRST Mouse+は若干だが剛性に欠ける印象がある。もっともこれは、定価・実売価格ともIntelliMouseのほうが高めなので、しかたないところだろう。高級なロジクール製マウスが欲しければ、Mouse Man Wheelなどの選択肢もある(私はマウスを左手で扱うので、これは使えないのだが)。
全体的に見ると、FIRST Mouse+はIntelliMouseと十分対抗できるだけの操作性と価格を持っているといえるだろう。あとは好みで選んでもよいと思う。
ということで、今回の二製品は、見えマウス「いまいち」、FIRST Mouse+「なかなか」という結果になった。アスキーにはもう少し頑張ってもらいたいところだ。
ちなみに、ホイール付きマウスは本当に便利である。Windows98ならドライバを組み込む必要もない。いまだに導入されていない方はFIRST Mouse+・IntelliMouse、どちらでも購入してみるとよいだろう。
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