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PCよもやま話 No.10・Windows98導入記(デスクトップ編)
1998/08/06
■Windows98を購入
7/25に発売されたWindows98。筆者も発売日当日に購入し、早速導入してみた。
結論からいうと無事に導入できたのだが、それなりのトラブルも発生した。インストールの手順とデバイス別の対処方法について、書いてみようと思う。同じ機器を使用している方などの参考になれば幸いである。
■インストール
Windows98導入前の私の環境は、Windows95 OSR2.1+IE4.01。特に不安定というわけではなかったが、せっかく新しいOSを入れるのだから、今までの環境を引きずるのではなく、新規に導入したいものだ。そこで、まっさらの状態……つまり、FDからシステムを起動し、HDをフォーマットしてからインストールすることにした。
しかし、私が購入したWindows98はアップグレード版である。アップグレード版は、CD-ROMが1枚という構成であり、FDは付属しない。つまり、FDからシステムを起動した場合には、なんらかの方法でCD-ROMドライブを使用可能にしないとインストールできないのである。しかし、Windows95やDOSの場合、FDからの起動でCD-ROMを認識させるのは、CONFIG.SYSを記述しなくてはならないなど、多少面倒である。
そこで、私が取ったのは次の方法である。
- 2台目のHDにWindows98 CD-ROMのWIN98フォルダをコピーする。
- Windows95 OSR2.1の起動ディスクでシステムを起動する。
- C:ドライブをFAT32でフォーマットし、システムを転送する。
- C:ドライブから起動し、2台目のHDにコピーしてあったフォルダから、setup.exeを起動する。なお、セットアップ開始直後しばらく文字化けするが、適当に対処する(苦笑)。
この方法を取ることで、比較的簡単にセットアップすることができた。ただし、この方法は、HDが複数あるか、1台でも複数のパーティションに分けてあることが前提である。
なお、通常版Windows98には2枚のFDが付属していて、そのFDから立ち上がればATAPI CD-ROMドライブと一部のSCSIカードに接続されたCD-ROMドライブは、CONFIG.SYSなどでドライバを導入しなくても認識される。
セットアップは順調に推移。途中、ハングアップをすることもなく完了し、無事にWindows98の画面を見ることができた。
なお、アップグレード版の場合、セットアップ途中で旧バージョンのディスクを要求される。私はWindows95のFD版を使うことで対処したのだが、10枚近くのFDをチェックさせられ、閉口した。これを避けるには、CD-ROMドライブを使用可能にしておいてCD-ROM版のWindows95を用いるのがよいだろう(ちなみに、FD版のWindows3.1があるなら、95よりはマシである)。
■さっそく再インストール
初回インストール後、持っているカードの動作をいろいろ確かめてみたり、マルチモニタに挑戦してみたりしてひとしきり遊んだ。さすがにいくつかのデバイスで不具合が出たが、一部のデバイスを除いて比較的簡単に解決することができた。
その後、インターネット上の各メーカーのページなどを通じてソフトウェアおよびデバイスのWindows98情報を収集し、Windows98を再インストールした。デバイスをいろいろ入れ換えたので、いったんきれいな状態に戻したくなったのである(苦笑)。レジストリにゴミが残っていて、のちほどトラブらないとも限らない。
二度目のインストールは、Windows98起動ディスクから行なったのでCD-ROMドライブも認識され、アップグレードチェックは容易だった。
再インストール後のWindows98は……まずまず快調である。
■デバイス別対処方法
さて、私が使用しているデバイスについて、Windows98でのドライバサポート状況やインストールのこつなどを書いておこう。
- アイ・オー・データ機器・GV-VCP/PCI(ビデオキャプチャカード)
私の環境でもっとも悩まされたのがこのカードである。このカードを有効にすると、Windows98が起動中に保護エラーを出力して停止したり、起動中に連装CD-ROMドライブにアクセスに行って止まらなくなったりといった現象が発生したのだ。
これは、まずWindows98のCD-ROMに付属のドライバ(drivers\japanフォルダ)(バージョン1.00らしい)を組み込み、不安定になったらアイ・オーのサイトから落としたドライバ(バージョン1.10)を組み込むという手順で解決した。
ちなみに、先に1.10を入れても不安定になったが、今度は1.00を導入したところ解決した。
なぜ解決するのか、まったくの謎である。
- Labway・D12(YMF724搭載サウンドカード)
Windows98にはドライバは付属していないが、LabwayのFTPサイトから落とした最新のドライバ(4.05.1019)でWAVE・MIDIとも問題なく動作している。
ちなみに、サウンドカードに付属していたアプリケーションはインストールしていない。
- Ensoniq・AudioPCI(サウンドカード)
Windows98のdriversフォルダ内のドライバで動作した。なお、8MBのWave Setは付属していないので、別途ダウンロード・インストールする必要があると思われる(筆者は4MBで使用)。
- Diamond Multimedia・Stealth II G460(intel740搭載AGPビデオカード)
Windows98にはドライバが付属していないが、Diamond Multimediaの米国サイトから落としたドライバ(1.40)や、intelから落としたWin95/98用リファレンスドライバ(2.1)で動作した。
- ATI・XPERT@Play(Rage Pro搭載ビデオカード)
ATIのサイトから落とした最新ドライバ(5.20)で動作。
- アイ・オー・データ機器・GA-PG3D4(ViRGE搭載ビデオカード)
Microsoftによると、ViRGEはセカンダリモニタでの動作がサポートされているので、セカンダリ用に使用してみた。アイ・オーから落としたドライバではセカンダリとしては動作しなかったが、Windows98付属のドライバで動作した。
- EPSON・DYO211(PCカードスロット)
PCIC互換ドライバで動作。問題なし。
- Nakamichi・MJ-5.16si(五連装SCSI CD-ROMドライブ)
とくに意識することなく動作。ドライバなどの導入も必要ないようだ。
- NEC・Aterm IW60HS(TA)
NECのAterm専用サイトの情報によると、らくらくウィザードはWindows98では動作しないとのこと。らくらくユーティリティは98でも動作する。
また、IW60HSに付属するWindows95用のINFファイルを使うと、接続速度が19,200bpsになるというトラブルが発生する。Windows98のモデム一覧から「AtermIT」を選ぶことで正常動作する。
- EPSON・GT-6500WIN2(パラレル接続スキャナ)
Windows95用ドライバで動作。
- HP・DeskJet720C(プリンタ)
Windows95用ドライバで動作。
- ASUS・マザーボードP2B-LS搭載デバイス
SCSIコントローラ、ネットワークコントローラ、USBコントローラとも、Windows98付属ドライバで問題なく動作。
■Windows98の使用感
Windows95OSR2+IE4の環境とほとんど違いがないとの評価もあるが、個人的にはアップグレードの価値はあったと思う。
なんとなくマルチタスク性が向上しているような気がする。たとえば、Windows95では連装CD-ROMドライブのスキャン中はシステムが停止状態におちいったが、98ではそんなことはない。また、Windows起動直後、常駐アプリケーションの起動時に、95ではコンテキストメニューやスタートメニューを開くのが不可能に近かったが、98ではきちんと開くことができる。細かいことだが、こういった点で、たしかに95よりマシになっていると感じさせる。
動作の安定性も、私の環境ではまずまずのようだ。すくなくともWindows95に比べて不安定になったという印象はない。
また、いろいろなアップグレード用のパッチなどをあとから導入する必要がなくなったのも便利だ。
しかし、まったく新しいOSである以上、導入に当たってはある程度のトラブルも覚悟した方がよさそうだ。
ということで、時間があってトラブルに対処できると思われるなら、Windows98の導入はなかなかおすすめである。ただし、事前にきちんと情報収集することは必要であろう。
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