PCよもやま話へ戻る ホームページへ戻る
PCよもやま話 No.9・6x86MX導入記 1998/04/12
■6x86MXを衝動買い
 先日、6x86MX-PR233を購入した。衝動買いである。
 4/6の月曜日、あるホームページで、6x86MX整数演算が速いので、一般のオフィスアプリだけを使うならK6よりおすすめ、と書いてあるのを目にした。「ふーむ、そんなものか」とそのときは思った。
 そのあと、ちょうど月曜日だったので、いつものようにサハロフ氏秋葉原レポートをチェックした。すると、6x86MXの価格が目に入った。もっとも安い店で\12,500。これは安い……。
 ふと考えてみると私のPCの使用法は、ここのところWEB閲覧とホームページ作成、それに2Dゲームといったところで、浮動小数点演算を使うようなケースはごくわずかである。3Dゲームもあまりプレイしていないし、MMX対応アプリもほとんど使っていない。6x86MXには向いているだろう。いや、向いているに違いない。さらに、この値段である……この値段で多少のパフォーマンスアップがはかれるなら、コストパフォーマンスはかなり高いといえる。
 また、現在使用しているマザーボード、ASUSSP97-V6x86MXにはきちんと対応している。インターネットで調べてみると、SP97-Vでクロックアップを行なっている事例もあるようだ。
 これは買うしかない。
 そう決断した私は、その日の帰社後に秋葉原に立ち寄り、6x86MX-PR233を購入してしまった。Flip-Flap\12,800であった。

■CPU換装
 帰宅後、さっそく6x86MXを装着することにした。
 いままで使っていたK6-PR2/200を外し、6x86MXを付ける。フルタワーケースなので、作業は楽々である。
 次に、ベースクロッククロック倍率を設定しようとして、しばし悩む。6x86MX-PR233の動作周波数は、75MHz*2.5187.5MHzである。しかし、私の環境では、以前75MHz駆動でトラブルが発生したことがあるのだ……。
 そこで、まずは66MHz*3.0200MHzで動かすことにした。オーバークロックではあるが、上昇率はごくわずかなので、おそらく動作するだろう。
 動作電圧は、マーキング通りの2.9Vに設定する。
 つまり、動作周波数・電圧ともいままでと同じ。ジャンパ設定はそのままだ。
 フロントパネルを閉じておもむろに電源を入れる……画面に「6x86MX-233」と表示された。とりあえず、ここまでは成功である。
 しばらく待つと、Windows95も無事に立ち上がった。
 アプリケーションいくつか動かしてみる……うむ、たしかに速度が上がっている。ウィンドウのドラッグや開閉が高速になったようだ。
 続いてhdbenchを起動して、ベンチマークを取ってみた。
 それによると、整数演算だけならPentium2266MHzに相当する速度らしい。わずか\12,800でこの速度なら、満足である。
 ベンチマークの結果を保存しようと、hdbenchのコピーボタンを押すと……システムが固まった

■トラブルの序曲
 リセットボタンを押してシステムを再起動すると、Windows95が無事に立ち上がった。hdbenchとの相性が悪いのかと考え、とりあえず無視することに決めた。
 翌日、そのまま使用を続けたが……どうもシステムが不安定である。いくつかのアプリケーションが一般保護例外などで落ちてしまう。
 クロックアップが原因かもしれない、ということで75MHz*2.5の正しい周波数に戻すことにした。PCIバスは75MHz/2=37.5MHzで動作することになるが、おそらく大丈夫だろう。
 クロックを変更するとシステムは安定したので、そのまま使い続けることにした。ただし、hdbenchのコピーボタンで固まるのは相変わらずである。おそらく相性なのだろう。

■思わぬ不具合
 高速化の効果を調べるのにはゲームが有効である。ゲームほど、CPUパワーの向上が如実に現れるアプリケーションはないだろう。
 ということで、最近プレイしていたX-WING vs TIE Fighterを立ち上げてみた。すると、ジョイスティックが接続されていない、というエラーメッセージが表示された。さては、CPU換装時にケースを動かしたので、背面のケーブルが外れたかな……と思ってチェックするが、きちんと繋がっているようだ。
 ちなみに、私が使用しているジョイスティックは、Microsoft SideWinder 3D Proである。
 コントロールパネルの「ジョイスティック」を調べると、たしかに未接続になっている。首をかしげつつ、削除・追加などを試みるが、やはり認識されない。
 いろいろと試してみると、アナログジョイスティックとしてなら認識されるようだ。デジタルインターフェースがうまく動いていないらしい……。
 ベースクロックを75MHzにしたためか、と考えて66MHz*2.5PR200相当で動かしてみるが、事態は変わらない。
 どうやら、6x86MXが原因のようだ……。

■BIOS書き換えに踏み切る
 続発する謎のトラブル。発売時期からして、SP97-Vの6x86MX対応が不完全なのかもしれない。特に、PR233の発売は、SP97-Vの購入後だ。
 こうなったら、BIOS書き換えである。
 SP97-Vの現在のBIOSはrev.102ASUSBIOS upgradeのページによると、最新はrev.106である。「解消した不具合」の欄には6x86MXに関する記述はないが、ひょっとしたら改善しているかもしれない。最新版をダウンロードして書き換えることにした。
 BIOS書き換えは、ドライバをなにも組み込まないDOSから行なう必要がある。そこで、システムだけ転送したWindows95の起動ディスクを作成。マザーボード付属のフラッシュROM書き換えユーティリティpflash.exeと最新BIOSをコピーした。
 そのFDから立ち上げてユーティリティを動かし、BIOSを書き換えた。
 書き換え後は、pflash.exeの指示に従っていったん電源を落とし、再立ち上げ後、BIOSセットアップ画面で設定をやり直した。
 続いて、Windows95を起動する……が、Windows95が立ち上がらない。起動中、Windows95のロゴが出ている画面で停止してしまう。またもやトラブルが……。
 試行錯誤して調べると、どうやらBIOSセットアップでオンボードのIDEコントローラを有効にすれば立ち上がることがわかった(私のシステムではSCSI機器しか使用していないので、IDEコントローラはいらないのだが)。これでWindows95はひとまず立ち上がるようになった。
 しかし、IDEを有効にすると、IRQが足りないためか、今度はPCカードスロットがうまく動かない。PCカードスロットに差し込んだフラッシュメモリカードを認識しないのだ。これは困った。
 ドライバを使用不可にしたり、リソースを手動で変更したりするが、どうしてもIDEコントローラを無効にすることはできなかった。
 そうこうしているうちに、ついにはIDEコントローラを有効にしてもWindows95が立ち上がらない(当然、無効にしても立ち上がらない)事態に陥ってしまった……。

■Windows95の再インストール
 ここに至っては、もはや最終手段・Windows95の再インストールしかない。
 トラブルを避けるため、いったんベースクロックを75MHzから66MHzに変更する。66MHz*2.5166MHz、6x86MX-PR200相当である。
 オンボードのIDEコントローラを無効にしてから、Windows95の再インストールを行なった。
 すると、インストール途中、Plug&Playデバイスの設定のところで停止してしまった。どうやら、BIOS rev.106ではIDEを無効にはできないらしい……(※1)。しかたないのでリセットボタンを押し、IDEを有効にすると、インストールは無事に続行できた。
 そのままWindows95のインストールは終了し、アップデートモジュールを導入した。途中、一般保護例外が一度だけ発生。いやな予感がする……。
 続けて、Plus!、そしてIE4と導入。IE4導入時にも一般保護例外が発生。やはり不安定のようだ……。
 不安定も解消せず、またIDEを無効にすると動かないのは困ったものなので、BIOSを再び書き換えることにした。今度は、ひとつ前のバージョン・rev.103である。
 rev.106のときと同様に書き換えた。念のため、2回ほど書き込む。
 電源を落とし、再び立ち上げると……メモリチェック後、システムが停止した

■BIOS書き換え失敗!? マザーボード買い替えか!?
 画面には、BIOSのスタートアップメッセージがむなしく表示されているだけで、Ctrl+Alt+Delキーも効かない。こ、これはBIOS書き換えに失敗したのだろうか? BIOSが飛んだということは、すなわちそのマザーボードはもはや使用できない、ということである……。
 何度かリセットを押すと、メモリチェック完了後、停止せずに続くメッセージが表示された。すかさずDelキーを押すと、BIOSセットアップ画面が開いた。どうやら、まったく動かないというわけでもないらしい。しかし、これではとても使用することなどできない。rev.106に戻したほうが良さそうだ。
 再び、何度もリセットを繰り返し、やっとrev.106に書き換えることができた。
 すると、103の苦労が嘘のように、なんの問題もなく立ち上がるようになった。

■K6に戻す
 トラブルに疲れた私は、ついにCPUをK6に戻すことを決断した。
 K6に戻し、Windows95を再インストール。Windows95が「しばらくお待ちください」画面のまま、終了しなくなるというトラブルが発生したが、これはLANカードが原因だった。別のマシンのLANカードと交換することできちんとシャットダウンできるようになった。
 それ以外には特にトラブルはないが、IDEを無効にするとWindows95が起動しなくなる現象は依然そのままである。これは、BIOS rev.106の不具合(仕様?)らしい。しかたがないので、IRQを空けるために現時点では使用していないCOM2:を無効とした。これでPCカードスロットも動作するようになった。

 4/12現在では、K6でWindows95が安定動作している。ただ、このまま6x86MXを使わないのはあまりにももったいないので、引き続き調査を行ない、なんとかうまく動かしてみるつもりである。

 BIOSの件など、すべてが6x86MXが原因とはいえないが、今回の6x86MX導入ではたいへんな苦労をしてしまった……。

今回の教訓・衝動買いのとき(時)失い。

 ※1・その後、Windowsの設定変更により、rev.106でIDEを無効にしても立ち上がるようになった(1998/05/12追記)

PCよもやま話へ戻る ホームページへ戻る

ご意見・ご感想は、conflict@ps.ksky.ne.jpまで。
Copyright(C) CONFLICT 1998. All rights reserved.