PCよもやま話へ戻る ホームページへ戻る
PCよもやま話 No.4・MediaGX PC
1998/01/28
■MediaGX
MediaGXを御存知だろうか。Cyrixの怪しげなCPUである。CPUに、ビデオ、サウンド機能などが統合されているのだ(詳しい説明は、こちら)。
そのMediaGXの166MHz版を使用したベアボーンキットを、秋葉原の鈴商で購入してしまった。FICのOASIS-166という製品である(製品紹介はこちら、ただし私が買ったものはHDDとCD-ROMなし)。
このベアボーンキットは、MediaGX搭載マザーボード、FDD、ケースがセットになったものだ。ビデオとサウンドはCPU内蔵なので、あとはHDDとCD-ROM、それにメモリを追加すれば、PCとして使えるようになる。CPUの速度は、同クロックのPentiumと同程度らしい。
こういったPCは拡張性に劣る場合が多いが、このキットはまあ及第点である。空きベイこそHDDとCD-ROMで塞がってしまうが、拡張スロットはPCI*1、PCI/ISA*1が空いており、最低限の拡張はできるようになっている。また、専用NIC用スロットもあるらしい。
値段は、\38,000。同程度の「ケース+CPU+ビデオ内蔵マザーボード+サウンドカード+FDD」をばらばらに買うのに較べて、それほど安いとはいえないが、自作PCでは決して実現できない小さな筐体(300×360×85)がなかなか魅力である。ただし、デザインは同じMediaGXマシンでも、UMAXなどの製品の方がかっこいいと思う。
とりあえず使い道はなかったのだが、その小ささと怪しさにひかれて、思わず購入してしまったのだった。
なお、のちほど雑誌で見かけた記事によると、同じものはシスペックでも扱われていたらしい。
■使い道を決める
キットが安いのに、ほかで金を掛けたら意味がない。HDDやCD-ROMは、秋葉原で格安品を見かけるまで買わずにおいて、全体でもなるべく安く上げようと最初は思っていた。
しかし、モノを買ってしまうと、なるべく速く動かしたくなるのが人情である。そこで、このMediaGX PCはむりやり会社で使用することにした。
会社では、もちろんPCが支給されている。ただ、Pentium 90MHz・RAM 32MBと、かなり非力だ。仕事をするだけならそれほど不自由しないが、不良社員の私としては、やはりいろいろと遊びたい(昼休みにはNAMCO Historyくらいはプレイしたいところ)。また、改造・増強もかってに行なえる方が便利だ(笑)。
会社で使うとなると、この筐体の小さいMediaGX PCは目立たなくてたいへん都合がいい(私の会社はかなり自由な雰囲気なのだが、さすがにタワー型PCを会社に持っていく勇気はない。もちろん、会社に持っていったらウイルスチェッカなどは導入する)。
■パーツの買い出し
そうと決まれば、秋葉原でパーツの買い出しである。
HDDは、コストパフォーマンスの良いものということで、QuantumのFBSE4.3ATを選択した。キットのマザーボードはUltra ATAには対応していないようだが、それでも高速性は生かせるだろう。TWO-TOP・1号店の4Fで購入した。
CD-ROMは、売れ筋の24倍速クラスで縦置きができて静かなものという条件で、どれがいいかTWO-TOP・1号店の店員に聞いてみた。すると、松下の製品がよいのだが在庫切れとか。そこで、いちおう防震対策が施されており、売れ筋だという、ミツミの24倍速を購入した。
メモリは、とりあえず手元のものを流用しておく。
とりあえずこれで動くが、会社で使うとなると、絶対に必要になるのがNIC、つまりネットワークインターフェースカードである。
このキットのオプションには、専用スロットに挿す専用NICがある。ただ、その専用NICをショップで扱っているのかどうかはわからないし(確かめていないが、扱ってない可能性が高いと思う)、もし扱っていたとしても通常のISAのNICより安いとは思えない。
マザーボードにはEISAスロットが2本あって、片方にはPCI・ISAスロットの付いたライザカードがささっている。どうやら、もう片方の空きスロットがNIC用らしい。ということは、その形状はEISAかISAということになる。専用NICにわざわざEISAのカードを作るとは思えないので、おそらくISAなのだろう。ISA以外のオリジナルのインターフェースのカードは、もっと可能性が低そうだ。
ここにNICを挿すとなると、マザーボードに垂直に挿す形になる。筐体の高さは8.5cm。ケース内のスペースを測ってみると、どうやら6.5cm以下の高さのISAカードなら入るようだ。
そこで、秋葉原のラジ館内ネットワークプロショップで、小型のISAのNICを買ってきた。エーアイブレイン製のNE2000互換カードである。
このほか、内蔵ビデオの機能がいまいちなので、会社のPCで使っていたMystiqueも挿すことにした。
■組み立て
パーツがそろったところで、組み立てにかかる。
まずはNIC。カードの金属製ブラケット(?)を外し、EISAスロットに挿してみる。すると、NIC上のある部品があと1mmほどでケースに接触しそうだったが、なんとか収まった。ケース開口部の形状のせいでLEDは見えないが、どうせ裏側だし、特に問題ないだろう。
HDDとCD-ROM、メモリは、特に問題なくインストールすることができた。筐体が小型のわりには、作業はやりやすかった。
最後にビデオカードを挿し、ふたを閉めた。
Windows95をインストールし、動作チェックをしてみる。すると、NICがきちんと動作しない。認識したりしなかったりしている。どうやらPnPがうまく機能していないようだ。やはり専用NICしかきちんと動作しないのか……と一瞬不安になるが、PnPを解除すると問題なく動いた。
そのほかには、特にトラブルもなく動作した。
■会社へ持参
組み立て完了後、会社に持っていった。筐体が小さいので、肩掛けのかばんにいれて持ち歩くことができる。
パフォーマンスはワープロやブラウザを使う程度なら、特に不満はない。メモリを96MBも積んだことも有効なのだろう(マニュアルによると64MBしか積めないことになっているが、特に問題なく動作している)。
hdbenchによると、整数演算はPentium 133MHzより多少速い程度、浮動小数点演算はPentium 100MHz程度のようだ。体感速度も、およそそのくらいである。期待したよりは若干遅い。
それと、NAMCO History Vol.2をインストールしたのだが、どうも音がおかしい。MediaGXはSoundBlaster16をエミュレートしているそうだが、そのエミュレートが完全ではないのだろうか。ちょっと残念だ。
拡張性も限られ、速度・値段もそれなりのこのキット。用途を選ぶだろうが、小さな筐体に魅力を感じる人にはお勧めである。
参考・hdbenchの結果
★ ★ ★ HDBENCH Ver 2.510 ★ ★ ★
使用機種
Processor Cyrix Gx86/4x [Cyrix ID 44 step 2 Rev 1]
解像度 1024x768 1677万色(24Bit)
Display Matrox Mystique PowerDesk
Memory 97,364Kbyte
OS Windows 95 4.0 (Build: 950)
Date 1998/ 1/30 15:36
HDC = スタンダード IDE/ESDI ハード ディスク コントローラ
HDC = スタンダード IDE/ESDI ハード ディスク コントローラ
A = GENERIC NEC FLOPPY DISK
CDEF = GENERIC IDE DISK TYPE40
Q = MITSUMI CD-ROM FX240S !B Rev j01
ALL 浮 整 矩 円 Text Scroll DD Read Write Drive
5296 5830 8425 9049 1027 6019 7 1 5953 6058 C:10MB
PCよもやま話へ戻る ホームページへ戻る
ご意見・ご感想は、conflict@ps.ksky.ne.jpまで。
Copyright(C) CONFLICT 1998. All rights reserved.