■難しい選択
5つの点を満たすPCを探してみる。
まず1.の点で、東芝のPORTEGE 620と660、COMPAQのARMADA、シャープのメビウスワイドは、いずれも2kgを超えているので選択肢から外す。電車での持ち歩きを行なう私には、重量の点は譲れないのだ。
松下はLet's Noteは、PRONOTEと同じような造作であり、やはり4.の点で不安が残る。秋葉原で実機に触ってみても、液晶パネルの隅を持って開け閉めすると、液晶に虹のようなむらが入るのだ。DECのDigital HiNote Ultraも、同じ理由から却下である。この2つは、値段的にもかなりこなれてきているので、残念なのだが……。
富士通のFMV-5133NP/Wは、CD-ROMが標準で付属するなど装備が充実しているが、発売されたばかりとあってどうしても価格が高い。
この時点で候補として残ったPCは、IBMのThinkPad 535とThinkPad 560だった。ともに1〜5の条件をほぼ満たしている。
ThinkPad 535は、モデルKF8が候補である。最新のMF9と比べてもスペックにあまり差がないわりに、実売価格はかなり安価なためだ。TFTの10.4inch SVGA液晶に文句はない。MWave搭載で28.8kbpsモデム内蔵という点も魅力だ。
ThinkPad 560は、SVGA 11.3inch DSTN液晶の5JAを狙う。TFT液晶のEJAやFJEよりもかなり低めの価格設定がなされており、A4スリムノートながら手が出る範囲だ。本当はTFTが良いのだが、残念ながらEJAやFJEは、ちょっと高価すぎる。
秋葉原で535と560、両者に触ってみる。……どちらも、かっちりとした作りで、強度の面での不安はない。質感では、560のほうが上だ。大きくて薄いボディが印象深い。それに比べ、535はごく普通のノートという感触だ。5JAのDSTN液晶は多少見難いものの、我慢できる範囲内だと感じた。
535/KF8は実売25万程度、560/5JAは20万……。TFTとDSTNの違い、液晶の大きさの差を考えると、この価格差は妥当なところだろう。
数日悩んだ結果、私が選んだのは560/5JAであった。
■購入
さて、購入するモデルが決まったら、価格の安い店を求めて秋葉原を徘徊する。
LaOXザ・コンピュータ館では、\198,000で増設16MB DIMMサービス。しかし、メモリは32MB増設するつもりでいるので、16MBメモリをもらっても無駄になるだけだ。店員の話では、差額を払って32MBに変更することも、16MBを付けない代わりに安くするということもできないという。
安売りで有名なニッシンパルでは、残念ながら20万を超えていた。
最近、メーカー製PCの安売りで勢力を伸ばす(?)South Windには、5JAの在庫がなかった。FJEの在庫はあったのだが……。
T-ZONEミナミでは、\198,000で増設32MBメモリが\20,000。ただし、FJEなら32MBメモリはサービスとのこと。う、5JAとFJEの価格差が縮まる……しかし、やはり5JAを選ぶ、貧乏人の私だった。
ということで、結局T-ZONEミナミで本体+32MBメモリを\218,000で購入した。ちなみにこの価格、PRONOTE mini(本体のみ)を買ったときの価格とほぼ同額である。
■電源投入から95インストール
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筐体の比較 |
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LCDサイズの比較 |
■パーティションを切り直す
810MBのHDが内蔵されているが、1パーティションとなっている。このままだとクラスタサイズの関係から若干効率が悪いので、パーティションの切り直しを行なうことにした。
まず、LANを経由して、HDの内容をすべてMOにバックアップする。とりあえず、これで安心だ。
次に、プレインストールソフトやドライバ類のFDへのバックアップを行なった。バックアップCD-ROMが付属していないのは、たいへん不満である。デスクトップと併用するユーザーも多いだろうし、たいしたコストではないのだから、ノートとはいえ添付して欲しいところだ。また、HD上にはディスクイメージをファイル化した特殊な形式で保存してあるので、FDに展開しておかないと再利用できない。結局、56枚のFDが必要であった。通常のファイル形式で保存されていれば、わざわざFDに展開する必要もないのだが……。
バックアップが終わったので、HDをFDISK、フォーマットした。結局、510MB+255MB+8MBというドライブ構成となった。最後の8MBが情けないが、d:ドライブを263MBとするよりも、実容量は大きくなるだろう。
さて、Windows95のインストールである。CD-ROMが付属していないマシンにWindows95をインストールするのは、なかなかの難題だ。
ネットワークインストールという方法もあるが、それだと、LANを使えるようにするために、わざわざDOSベースのネットワークOSをインストールしなくてはならない。特にノートPCだと、NICはPCMCIAカードだから、PCMCIAカードサービスも必要となる。かなり面倒な作業である。
PRONOTE miniのときには、パラレルInterLink経由でインストールした。これは、マシンが2台あれば有効な方法だが、かなり遅いのが難点である。
今回私が取ったのは、Zipドライブを使う方法だ。パラレルZipなら、わざわざSCSIのASPIドライバなどを組み込まなくても、guest.exeというプログラムを実行するだけで使用可能になる。Windows95をZipドライブからHDへ展開し、Zipドライブを外して、HDからインストールを行なった。
Windows95のインストール自体は問題なく終了。その後、いくつかのアプリケーションもインストールし、完全に環境が整ったとはいえないものの、とりあえず使えるようにはなった。
■使用感
まだ数日しか使用していないのだが、使用感をざっと書いてみる。
実際に鞄に入れて持ち歩いてみた。薄いが大きい560、ということで携帯性が損なわれているのではないかと危惧したが、鞄に入れた状態では、まったく問題ないことがわかった。重量も、ACアダプターを持っていないこともあって、それほど気にならない。
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