ACONCAGUA 1992〜93
(2)エル・プラタへ
   −クリスマス休みと高所順応−
12月24日(木)
 6時、少し遅れるとの連絡が入ったという。もうタクシーは断れない。来てから最後の交渉をする
ことになる。さっそく朝食を食べるが、またまた大失敗。昨日の残りのチキンを煮込んだスープを食
べていたら、これが失敗。浅いカップに入っていたので飲んだのだが、一度に大量のスープが入って
しまい、熱いと気が付いても吐き出すわけにもいかず、戸惑っていたら、口中を火傷してしまった。
 今日は、エル・プラタの途中まで高所順応に行くことにする。
 7時30分タクシー到着。185$で交渉成立。7時55分、マイケルとダニエルの運転で出発。途中でガ
ソリン(スタンドでハイオクの普通のガソリンを買う)や野菜、果物を仕入れ、10時25分エル・プラ
タ山麓のスキー場に着く。そこで二人と別れ、10時50分いよいよ登山開始。いきなりスキー場のゲレ
ンデを直登する。草は無く、崩れやすく登りにくい斜面。自分は栗田氏のストックを借りてきたので、
なんとかバランスを取る。ストックがあると登りやすい。二山越えるとそこは牧草地になり、馬が数
頭草を食べていた。小さな小川のほとりで休憩する。緑の牧場で、それこそアルプスの夏を思わせる
光景である。目の前には氷河跡の大モレーンがあり、その中を縫ってルートを取る。2時50分、つい
に4000mを越える。なおもサイド・モレーンの背中を登り高度を稼ぐ。途中で、成田氏の持つ食料を
持つ。右手には雪解けの濁流が流れ、時たま雪を崩れさす。正面に滝が現れたところから右手に岩を
巻いて、崩れやすい斜面を直登する。それが終わると、今日の目的地、4200m のC1である。3時45
分到着。   
 さっそくテントを張る。ここまで担いできたのは自分である。頑張って張る。また、もってきたセ
ルベッサとビーノ(ワイン)を雪田に埋めてきた。成田氏は、1時間程時間をもらってもう少し高い
ところへ行く。4500mまで行ったという。帰ってきて、食事と宴会。だけどいきなり4200mまで来てし
まったので酔いが早く、セルベッサ各1本でビーノには手が付かなかった。  

12月25日(金)
 なんと今日は自分の誕生日、今日で34才になってしまう。どんな誕生日になるかとても楽しみだ。
今日は、下山のみの予定。まずは、ゆっくり朝食を食べ、外が明るくなってきたのでテントをたたみ、
下山に取り掛かる。昨日の苦しい上りもアッというまに下ってしまう。最後は、せっかくのお花畑な
のでゆっくり休む。昼寝をしたり、爪を切ったりして…。むかえのタクシーが来る時間になるのでま
た歩き出す。
 昨日別れたゲートに着く前にタクシー(ジープ)が上がって来て、マイケル、ダニエルとの再会。
また、ジープの荷台に乗ってメンドーサに向かう。途中で買い物をしようとしたが、本当にクリスマ
スでスーパーなどは一軒も開いてない。パン屋さんがあったので寄ると、パン・ハム・ビール・ワイ
ンビスケットなどがあったので買っていく。クリスマスケーキの残りがあったので買おうとしたが止
めた。残念…。その後、増田宅へ帰る。到着すると、一日遅れの昨日到着した栗田氏が出迎えてくれ
る。昨日は、飛行機が遅れに遅れ、深夜に到着したという。荷物を運んで整理し、食事にする。昼食
は、セルベッサにビーノ、パンを食べるが旨くない、ポテトフライのみ売れた。そして昼寝。しかし、
これが悪かった。暑いのでクーラーをきかせて寝ていたら、腹を冷やしてしまい、下痢になる。その
後、風呂に入り、夕食。街に出ようかと思ったが、クリスマスでやっていないという。しかたなく、
今日は二階のベランダで食べるが、内容はさっきとあまり変わらない。サラダとスープが増えたが、
あとはまたお酒にパン。山用に買ってきたパウンドケーキをクリスマスケーキ(バースデイケーキ)
の代わりにして食べる。お酒はあまり進まず、早々に終りにする。いよいよ明日は、アコンカグアで
ある。良く寝よう。

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