ツイン

双発機製作中(大改造中)


(1999.03)


発想の原点


 まだR/Cを始めたばかりのその昔、河口湖に伊藤会員と水上機に出かけました。伊藤さんはバイキング(YOSHIOKA製)を改造して双発機の水上機を持参してきました。 これがまたすばらしい出来上がりで、そのツインの共鳴音が未だに共鳴しております。  その当時私もこんな飛行機を作ってみたいな〜なんて考えていました。 有る程度操縦も出来るようになった昨今、作ってみたい作ってみたいと思いつつ、でも双発となるとその脳波が判らないし完成機やキットでは無論飛ぶことは間違いないでしょうがそれでは今一つおもしろ味がないのではないかと思案しておりました。 ましてやキットを購入して改造したところで飛ぶかの疑問もありましたし、どうせ定かでないものを作り離陸した瞬間墜落するのならばと色々考えていたところ十数年前に飛ばしていた40の低翼機が埃をたっぷりかぶって有る事に気づき これだ! と思い長年の夢をこいつに託してみようかと久しぶりに飛行機製作に入った次第です。 何せ機体は燃料が染み込んでいるし、塗装をも剥がさなくてはならなく大御所です。 一体いつになったらその形が出来上がるのか遠い先の話です。





3月16日
 主翼部に左エンジン取り付け位置を切開した。

3月20日
 主翼部右エンジン取り付け位置を切開した。


4月01日
エンジンマウント周辺のプランク。


4月21日
マウント周辺の整形

05月01日
   カラーリング

05月15日
水研ぎ

05月18日
超仕上げ(コウンパウンド→ピカール→ワックス)

05月20日
リンケージ

05月24日
  完成



  全長・・・・1290mm    エンジン・・・・OS32F ABC×2 
  全幅・・・・1520mm    ペラ  ・・・・APC 11×7
  重量・・・・3.8kg     RC装置・・・・4ch 6サーボ


処女飛行の予感

 エンジン取り付け角度がいい加減なので飛んだとしてもかなりのクセが出るかと思います。またエンコンは3→7ミキシングの2サーボをワイヤーリンケージで行った為か若干左右のスロットル開閉に誤差が生じている様で一番気に掛かる処です。 機体からすれば25×2でもオーバーパワーかと思いますし今回はエンジンが無く32×2にしたのはかなりの・・・それと右エンジンは使用済み、左は真っ新この辺も・・・いずれにせよエンストしたら二度と日の目を見ないものとなるでしょう。 果たしてその運命は・・・?



6/6初飛行に成功!

 兼ねてから夢を抱いていた「双発機」のフライト。6/6初フライトに成功したとお伝えしておきましょう。 やはりエンジンの調整が難しかったです、一基だけ真っ新エンジンな為かなおさらでした。使いこなしたものを二基または新を二基使用した方が無難の様でした。 それなりに調整を済ませ、午後一の初フライトとなりましたがフライト状況は私の想像を絶する状況で有りました。離陸瞬間いきなり「ナイフエッジ」に入り込んでしまい「もうダメ!」と言う感じでギャラリーの肝を冷やし、第二コーナーでこれまたいきなり「スピン」に入ってしまい高度が有った為か何とか立て直しさせる事が出来ましたがかなり難儀でした。 水平飛行でも全く落ち着き払う事無くじゃじゃ馬を操ると言う感じでこちらが飛ばしていると言うよりも飛行機に飛ばされているってな感じでした。着陸だけはかなりスムーズな曲線を描いて無事着陸となりましたがR/Cを始めた頃の心境で舌が乾いて飲むツバも出ませんでした。 飛行状況からして問題点は山積みの様でこの日のフライトはこの一回切り(もう飛ばす自信がない)で止めました。 次回は多分確実に墜落するかと思いますので河川敷の草が枯れた頃(捜索しやすい時期)にしたいかと思っています。 しかし共鳴音だけ聴いただけでも長年の夢が報われたと言う感激の一日でも有りました。 当日は会員の皆さんに色々と後協力を頂いて本当に有り難う御座いましたと深く感謝します。 更に会長さん(本田さん)にはビデオまで撮って頂き記念のビデオとなりました。




会員からの印象

Kさん
昨日の長井さんの双発機の初飛行は圧巻でした。 もともと単発のスタント機を思いつきで?双発化したものですから、いろいろとセオリーに反するところがあり、傍から見ていても「これ飛ぶんかいな」という懸念は誰にも、作った本人にもあったことと思います。離陸したとたん右に大きくコースを外れナイフエッジに、立て直しての旋回ではスピンにはいり、終始「これどうなってるんだ」とのパイロットの悲鳴が。見ている方も一瞬も気を許せないスリリングなフライト。それにしても長井さんのテストパイロットとしての度胸と腕前は凄い。暴れ馬を必死に押さえ込むロデオの名手さながら。いざと言うときどこに身を隠そか、自分の車に直撃しないかと心配した傍観者一同も手に汗、無事の着陸を見てほっと一息。皆さん、飛びそうもない、わけのわからん新作機のテスト飛行は長井さんにまかせましょう。

Fさん
初飛行はギャラリーの私も手に汗握るすごいものでした上空で暴れまわる飛行機を見たときは これはもう絶体に無事地上には戻ってこないと思いましたが 意外に着陸はスムーズでした。まずは 長井さんも長年の夢が実現したとの事で祝着至極でした。それにしてもオーナーの長井さんもさることながら飛行機も無事?空を飛んで家に帰還できてさぞホッとしてることだろうと思います。

まとめと今後

 今回の「双発機」製作に至っては無知能力から始まって夢だけが先行してしまい改造版となった「低翼機サイテーション」はやはり双発機の製作には不適合だったかと想います。最初はやはり「高翼のキットを買って来て15×2基程度作るべき」だったのかもしれません。スピードもさして速く無く、自立安定性が高いので同じエンジン調整不備の発生が生じても操縦はかなり高いポテイシャルに有るのかと思います。 今回の一番暴れまくった原因としては「エンジン取り付け位置」が多大なものかと感じ、私自身、航空力学&流体力学全くの無知ではありますが「エンジン位置が前縁直前にセッティングされている」為かペラの効率を大きく低下させていまっている故に翼面の一番効率を稼ぐべき処を全くと言ってよいほど気流を乱しているのが要因かと思います。 エンジンスラストにも問題は有るのでしょうがここが一番の泣き所だったかと思います。

今後の対策としても限られたモノでしか調整、修正が効きませんので出来る事柄で対処してみたいかと想います。  

    以上、調整修正の上また次回でのフライトをご報告いたします。

 今回の飛行にあたっては皆様方の多大なご協力と貴重なご意見、ビデオなどをいただき誠にありがとうございました。 この席を借りてご報告いたし、今後も良きアドバイスを下さる様重ねて申し上げます。