VICTOR

F3F/F3B VICTOR をオーバーホールしてみる

(2017.01〜)




 あるサイトに中古として出ていました。ちょっと目を付けながら数日、考えてみました。 機体は十数年前のモノでそれなりの戦歴を得てキズ、修復も有りますがスロープで仕様するには此の位は当たり前のところでしょうか。経過年数からすれば結構キレイに使用されていたかと思います、こちらの仕様もスロープですのでこれに少し手を加えて飛ばしてみようかと思いましたし言わば「おしみのない機体で攻めのフライト」が出来るのかとも考えました。更に今はシーズンオフの事も有り、少し手持ち不足も感じていましたので時間つぶしにもなりますしオープンまで半年も有りますのでこれをゲットしてオーバーホールしてみようかと思ったところです。



 



主翼付け根のヒビ割れ


    


ここの部分は私もしばしばやっつけられる所でも有ります。 過去にも数回修理していますので同様な方法で修理する事にします。


    


カーボンを貼る予定で下地を出す為サンディング。 私の能力では一巻きで構成させる事が出来ませんので二分割で行なう予定で事を進めて行きます。


      


カーボンを貼り付けて思いっきりティション掛けました。このまま一晩放置(上面)。

   


やはり三次元の固定は難儀ですが思ったよりキレイに貼り付けられました。

 


こちらも締め付けて一晩放置(下面)。

   


恐る恐る巻きつけを剥がして見るとまぁ〜まぁ〜ですが思ったよりキレイに出来上がっていました。

  ひとまずこれで主翼付け根部のクラック修復は完了としておきます。


胴体全体の補修



 


前オーナーが補修したところですが強度的には問題なさそうなのでこのまま穴埋めをパテで行う事にしました。

 


 


 


今回初めて「タミヤのポリパテ」を使用してみました。硬化後はイエローになるとの触れ込みでしたのでこれは、と思い使ってみましたが同色の為、充てんした部分が分からず逆効果でした。折角買ったので他色の部分で使います。 垂直尾翼はウエーブが掛かっている所の穴埋めでしたので中々平面が出ませんでそれなりに処理しました。 胴体はノーズ部とテール周辺の擦り傷キズ程度でしたの薄く三回パテ充てんして終わりとしました。 


ウイングの修復



 


スロープ仕様ではよく有る翼端破損、上部から押してみると少しフワッとした感じで樹脂とカーボンが少し剥離している様ですが(直し方が分からない)フライトに影響するほどのものでもなさそうなのでサンディングを施しパテ埋めしました。

 凹凸も少し有りますのでここは思い切ってサンディング。

 


サンディングしても凹凸はちょっと深いので肉痩せの少ないポリパテを充てん。



     


一応、全塗装と言う事で事を進めていますので塗料の乗りを良くするため擦り傷、クリヤーを落としながらすりガラスになる程に表面を水研ぎしました。 しかしながら本質的には現在の黄色、紺色もそぎ落としたいところですが余りにも硬く大変過ぎてあきらめモード、この上からのカラーリングとなると更に重量も増加してしまいますがあきらめました。 カラーリングもそれなりに構想していましたのでそれなりに水研ぎしましたがそれでも大変な作業で半ば根を上げてしまった感じです。

 この研ぎだけで急ぎはしませんでしたが一週間以上も掛かりましたが出来ればもう少し研いで軽くしたいです。


マスキング


 


カラーリングはマスキング直前まで迷いましたが下のパターンにしました。 翌日の風の予報が穏やかそうでしたのでガンバッテマスキングまで漕ぎ着けました。



カラーリング


   


大失敗です

朝、目覚めてみると風も予想通り1m/S前後で塗装には絶好の日和でした。冷え込みがちょっと残っていましたが準備に取り掛かり、いざ吹き付けを行うとアレッ?アレッ?どうして?どうして? 画像でもわかる様に前色の紺と緑が下地色で残ってしまっているのです。赤(ウレタン)を吹き付けたのですが前色が消えず、更にカーボンの上も残ってしまったのです。有る程度予想はしていたのですがこれ程残るとは思っていませんでした。ましてパテ(ホワイト)の上面部もうっすらと透き通って見えるではありませんか。ちょっと重ね塗りを行ってみたのですが一向に消える形跡がみられませんでした。やはりカーボンなどの上は下地塗り(白など)しないとダメなのですね。それなりに考えてみたのですが私にはわかりません、一つ気になるのが塗料(顔料)が数年前のもので劣化していた可能性しか見当たらない感じでひとまず赤のカラーリングを終えました。この後どうしよう〜あぁ〜あっ、ふぅ〜。


トホッホ〜


   

この様な無様な結果です。 先端部のカラーリングを考えるか、妥協するかと言うところでしょうか。 このまま使用して次回破損修理が発生したら塗り直す事もアリですね。

 まだ左翼が残っていますのでこちらもこんな感じになってしまうのか? ならばまた水研ぎして黄色まで出さないと二の舞になってしまいます。ヨシ!下地を出そう。 と言いながら顔料の劣化などをもテストしてみました。 皆さんの助言なども頂いて「プラサフ(ホワイト)」を吹く事とにしました、この存在を知らなかったコレを購入し水平尾翼で下地塗テストする事にしました、これでいける様でしたら工程を変えようかと思っています。


泣きっ面に蜂


   

プラサフを吹く事を前提に再び水研ぎしました。下地のカーボンとグラスが見えるぐらいまで砥いで(研ぎ過ぎた)プラサフを吹いたら何と見えなかったピンホールまで現れてしまい深みにはまるばかりです。

*左画像   カラーリング(赤)前の右水平尾翼のプラサフと下地が見え掛けた左水平尾翼

*中央画像   カラーリングされた水平尾翼(バッチリ決まりました)とピンホールの見えたプラサフ後

*右画像   ちょっと見ずらいがピンホールの左主翼、翼端

    友人よりこのピンホールを埋める超裏ワザを伝授して頂き驚く程の効果でバッチリ埋まりました。ありがとうございました。   


再塗装しま〜す


        

カーボン色が薄く透き通って見えてしまっており納得行かず、もう一度塗り直す事にしました。プラサフを掛けたがそれでも薄っすらと見えている(プラサフはグレーが良かったのかも)。 この後にエンジンカラー(レッド)を吹いてしまったのです。 なんとこのエンジンカラーはラッカー系に属する様で万能シンナーにはまるっきり太刀打ち出来ないモノなのです。 プラサフもアクリル系でラッカー系ほどでもないが万能シンナーには弱い様で有る。 アクリル系の上に一度薄くウレタンを吹いて被膜を作れば何とかなりそうなのでエンジンカラーを落とす事にしました。 


もう一度下地づくり


        

アクリル系の上に再塗装です。アクリルが万能シンナーに解けないかこわごわ薄っすらと吹き付けてみました。これでコーティング出来ればこっちのモノです。又、垂直尾翼部の修正(ここはウレタンのみ)も少し見えていましたのでついでにここも(ホワイト+隠し味一滴で)消しました。 今回の下地塗りに伴いベタ塗り用としてエアーブラシを新調しました。ピンポイントで吹き付けするには中々よろしい様で気に入りましたので今後の塗装にはこれを使う事にします。 


カラーリング イエロー


        

アクリル系への上塗りコーティングも利いて普通に塗装出来、ホットしました。


カラーリング レッド


        

カーボンのかすれに前色の二色もキレイに隠れました。しかしながら度重なる上塗りで目方も大夫増してしまったのかと思います。後二色分、黒とクリヤーが残っています。


カラーリング ブラック


           

日中風が強まり予報では5m、早朝時点で無風に近い状態で迷いました。天気図では何とかなりそうなので思い切って塗る事にし早急に準備に取り掛かりました。 最終カラーの黒塗りなので簡単に吹けるだろうとたかをくくっていましたら思いの他、塗料を使いました。予測で希釈量120ccを用意いたのですが肩翼吹いた時点(水平尾翼も含み)で100ccも使用、仕方なくもう100cc希釈しました。吹き付けも終わろうとした段階で風が出始め、片付けの最中は3m以上にはなっていたでしょうか。滑り込みのセーフで、すべてが終了した30分後位には強風の7m以上は有ったでしょうか非常に危なかったです。これで色付けは終わったので硬化まで時間を於いて水研ぎです。 しかし目方が気になります。最終のクリヤーを吹いたらどうなってしまうのだろう。


最終塗装 クリヤー


           

 最終塗装のクリヤー、全体の水研ぎも終わり後はクリヤーを吹くだけの段階でしたがこの時期の天候、強風に悩まされ中々作業が進みませんでした。シーズンINに間に合うのかかなり心配しました。 毎日、天気予報と気圧配置とのにらめっこの日々、休日との絡み合いも有り二週間以上も経ってしまいました。この日の明日はお天気も下りの様で若干の風は有りましたが次の期待を待つと完成がズレ込んでしまう為ここは思い切って吹く事にしました。吹き終えるまで「風さん、風さん吹かないで、お願い吹かないで」と祈りながらの吹き付けでしたが祈りも通じて無事すべての塗装が終了しました。 ここからは雨が降ろうが風が吹こうが室内で行える作業ですので一安心です。 


最終工程  磨き


           


  

 やっと最終段階を向かえましたが「時間と根性の修羅場」です。ただただ同じ作業の繰り返し。クリヤーの全塗装からの水研ぎを#300>#600>#1000と三段階に主翼上面、裏面、胴体に尾翼と水研ぎしましたが流石に肩、腕も痛くなり作業を投げ出す日々も有りましたが、がんばって水研ぎ工程を終わらせました。第二の修羅場は「ツヤ出し」。水研ぎ以上の修羅場です。最初にコンパウンドで凹凸を擦り落とす為そこそこの力もいりますので一日の進む作業も30平方cm位でいやになっちゃう作業で根性との戦いのです、無論投げ出す日も多く中々作業が進みませんでした。 何とかここも終わらせ第三の修羅場「ピーカールでの最終ツヤ出し」です、もうゴールは目の前ですがやはり「イヤになっちゃう」が先に来て事が中々進みませんでしたが磨けば磨くほど「自分の顔が写る」励みに湧いて一生懸命磨き倒しました。表面もツルツルになり顔の写りが一段と増し、ワックス掛けを想像して負けずに磨き倒しました。ワックス掛けは陽気も良かったので飛行場へ持ちこんで皆さんのフライトを見ながら磨きました。 なかなかいい感じのツヤが出ました。


セッティング


フライングテール 水平レベル出し


           

        

シーズン前に友人がテールの一部を修理したが「ニュートラル位置がわからなくなってしまったので」ちょっとテストしてみたいとの事。

 フライングテールの水平ってぶっつけ本番? 大ざっぱ合わせて飛ばしてみるしかないの? 何かいい方法はないかと考えてみました。 比較的、人間の目って正確なものですがそれでも誤差は生じますので何か良い方法はないかと模索してみました。水平が分かれば??とッ考えたのがこの方法です。

 @主翼ダウエルに竹箸を差し込んで(ガタ分はマスキングテープで足し)Aアルミスケールを当てる(長さが足りずLアングルと抱き合わせ)B真上から目視

左が「此の位だろう」と合わせたレベル。こんなに誤差が生じていました。 この方法が良いのか悪いのか分かりませんがそこそこの水平は出せるのではないかと思っていますが?

              


     

後は、サーボカバーを貼り付けて全てのオーバーホール作業は完了です(05/01)。

 今回のOHにご協力、ご指導頂いた皆さんに感謝いたします、有り難うございました。今後ともよろしくお願いいたします。



初フライト





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