セッティング編

【セッティングを始める前に】

 各セッティングに関する解説は、ゲームソフトに付属するテクニカルノートに書かれています。まずはそちらをご覧下さい。

 セッティングの目的は2つあります。
 1つはマシンのポテンシャル(潜在能力)を最大限に引き出す事。もう1つは自分の腕前に合わせて乗りやすくする事です。

 マシンのポテンシャルを最大限に引き出すという事は、それだけ扱いにくいマシンになる可能性があります。かなりのドライビングテクニックが必要です。
 ブースト圧を最大にして、足回りをガチガチに硬めれば、
最高速も加速も良く、コーナリング限界も高まりますが、ちょっとしたハンドル操作のミスが命取りになります。そういう状況に的確な対処ができる人はそういうセッティングで良いでしょう。

 しかし、初心者がいきなり上級者のセッティングで走っても、全然速く走れないでしょう。とにかくコントロールが大変で、真っ直ぐ走らせる事すらままならないと思います。
 そこで初心者は自分の腕前にマシンを合わせる事が大切になります。
 マシンを自分に合わせて乗りやすくすれば、マシンの走行状態が把握しやすく、体勢を立て直すのも楽です。
 しかし、ドライバーのテクニックレベルが低いと、セッティングによってマシン全体の性能も落ちます。ですから、乗りやすいけれど、タイムは伸びません。

 まずは自分に合った乗りやすいマシンにセッティングし、そこから徐々に限界を高めていくのが理想的です。

【ブースト圧について】

 ターボ車やスーパーチャージャー車の場合、ブースト圧を変更できます。ブースト圧を上げるとパワーが上がります。 しかし、ターボ車の場合はターボラグが発生し、アクセルを踏んでから加速が始まるまでにもたつぎがあります。
 ターボラグは直線を走っている分には関係ありませんが、コーナーからの立ち上がりでラグが大きいと、一気にパワーがタイヤに伝わり制御不能に陥る事があります。これが俗に言う『ドッカンターボ』というものです。突如立ち上がるパワーによって、後輪駆動車ならスピン、前輪駆動車なら超アンダーステアになります。
 ですから基本的に高速コースならブースト圧は高めに、逆にコーナーが連続するようなコースならブースト圧は抑え目にした方が良いです。
 スーパーチャージャー車の場合は、常に最大でOKです。

【ギア比について】

 ギア比を調整する事で、マシンの加速性能や最高速性能が変えられます。コースの特性を考えて、最適なギア比にする事がタイムアップの秘訣です。

 ギア比の調整は根気のいる作業です。何度もテスト&トライを繰り返さなければなりません。

 ギア比は1速からの各ギア比と、ファイナルギア比があります。ファイナルギアは各ギア全体を変えるものです。初心者はまずファイナルを調整する事から始めましょう。
 ファイナルギア比を大きくすれば加速力が高まり、小さくすれば最高速が伸びますが、目一杯小さくしてもエンジンパワー(トルク)が足りなければ失速してしまいます。また、目一杯大きくすれば、加速も最大になりますが、すぐに吹けきってしまい、レースでは使いものになりません。

 まずは各コースで最高速がどこまで伸びるかを考え、その最高速までいかに速く到達するかをセッティングしていきましょう。大抵の場合、ファイナル調整だけで十分なのですが、特にAT車の場合は、シフトタイミングの調整の意味で各ギア比をいじる事になります。

 各ギア比の調整画面の左側にそのギアでのスピードが表示されていますが、決して400km/hオーバーにはなりません。あくまで理論値です。ですから最後のギアの1つ手前、つまり6速車なら5速のギアでのスピードを目安にするといいです。

 6速などの上のギアはコース上の直線でしか使わないものです。また1〜2速は発進加速用のものです。実際のレースで重要になるのはその間の3速〜5速(車種によって変わる)です。ここをどうセッティングするかでタイムは変わります。
 理想的なのはこの3〜5速が見事にシンクロする事なのですが、そのために1〜2速がハイギアード(ギア比が小さい)だとレーススタート時にもたつきます。この部分を切り捨てていいなら3〜5速を実戦的なギアに調整しても構わないでしょう。

 流れとしては、まず第一にテスト走行し、コースでの最高速を探ります。最高速がある程度わかったなら、一番上のギア(6速車なら6速)を最高速に合わせます。これはファイナルで調整してもいいでしょう。
 次に発進加速が我慢できるレベルまで1速〜2速のギア比を小さくしていきます。こうする事で3〜5速の実戦的ギアをクロス(ギアの繋がりが良い状態)にできます。
 最後に再びファイナルで最高速の調整をして、ファイナルを大きくするなら、1〜2速は更に小さくできますし、逆にファイナルを小さくするなら、1〜2速は大きくしなければなりません。

 このようにギア比の調整作業は時間と手間がかかりますが、この作業によって同一のマシンであっても、かなりタイムが変わってきます。
 またギア比が変われば各コーナーごとのシフトタイミングの組立も変わりますし、更に勾配(コースの高低差)も考えていかなければなりません。
 ですから、ベストなセッティングはあっても、やはりドライバーの技量も問われます。

【サスペンションについて】

 どのマシンにも本来持つコーナリング特性というものがあります。アンダーが強いなど。
 サスペンションセッティングを行う事で、そのマシンのマイナス部分を補正する事ができます。例えばアンダーの強い車のアンダーを弱くしていくなど。
 しかし、ドライバーによってはアンダーが強い方が速く走れるという人もいるでしょうから、そういう人にとっては、よりアンダーを強くするセッティングであってもよいのです。
 つまり、サスペンションのセッティングはドライバーの好みに合わせるのが良いという事になります。
 また、ドライバーによってはアンダーを殺す走りをする事ができる人もいますし、ハイパワーFR車を容易くコントロールできる人もいます。ですから、サスペンションをいじろうがいじるまいが、問題はドライバーの技量となります。