君なんて 知らない人と
 思い込めばいい
 名前も顔も声も
 知らない人だと

 夕暮れが始まれば
 照らされたすべてが
 輝いて見えてきて
 眩しさに思わずうつむく

 君なんて ひどい人と
 信じ込めばいい
 冷たく意地悪くて
 愚かしい人だと

 夕暮れが終わってゆく
 ためらうこともなく
 消えてゆく長い影
 ゆっくりと どこかへ飛んでゆく
 鳥たちがだんだん見えなくなる

 地球は忙しく回っているはずで
 だけど時にはすべてのものが
 止まって見えてしまう

 そして今 夜が来て
 星たちは輝く
 月明かりその下で
 ひとりきりたたずむ
 新しく浮かぶ影をそっと
 見つめながら