股関節解剖

CCDが搭載されている頭部にはBBSでも関心が集中しました。でも関心の高さを考えて研究室で分解することにして、とりあえず、一番興味のあった足の付け根(股関節)についてレポートします。機能的には全体重を支えて動かせるだけの強度とトルクを要求され、かつ薄型(組み替え自由なOPEN-Rの考えをハード的に実現するため)でなくてはなりません。

なお、写真中のマス目は約20mmです。

全体図、目立つケーブルは、この内部の基板から足の太股部分に到達するもの。ケーブルにゆとりがあるのは、回転に応じて動くことで、回転を妨げないだけでなく、ケーブル自体の曲げを最小に抑える意味がある。左下にテープで固定されている絶縁チューブ内でフェライトコアを通り、折り返して基板に達する。

ギヤボックスを開ける。一段目の減速比の高さに注目、歯数(はかず)を数えるつもりでしたが、多すぎてちょっとやめ。ピニオン以外は樹脂製で、すべて平歯車で構成。手前の軸が足につながる。ここだけは、ベアリング(段付き)が付いている。荷重条件も厳しいからだろう。グリスは多少青みがかったものを使用していた。セラミックグリスなんでしょうけど、扱ったこと無い。本当はグリスを拭いて、新しいグリスをさすところでしたが、埃が見当たらないので大丈夫でしょうし、これを見て断念。

ちょっとピンぼけ、ごめんなさい。ギヤを外す。反対側にもベアリング発見。ベアリング中央に見えるのがポテンショメータ(半固定抵抗と同じ、ただし、精度のいいもの、角度検出に使う場合(?)はこのように呼ぶ。)の軸。多段ギヤで減速し、最終段にポテンショメータを設けて角度検出するという手法は、ラジコンのサーボと完全に同じ。

基板。ケーブルを外し、4本のネジを外して樹脂カバーを取った状態。右端の白い三つがコネクタ。写真の天地を基準として、上から、ポテンショメータ、モータ、足への接続ケーブル用。すぐにSony印のOPEN-RのICに目が行きますが、こればっかりはOPEN-R用としか言えないですね。(笑)早く規格を公開してください。OPENの文字が泣きます。(まさかジョークじゃないですよね?)>ソニー様。注目は写真中央上部にある、8ピンのIC。これは、MicrochipTechnology社の、PIC 24LC16Bと思われます。その上に「S」の字がスタンプで押してあります。これをワンチップマイコンと早合点して書いていたら、読者の方に訂正をいただきました。これは、ワンチップじゃなくてEEPROM(電気的書き換えが可能な、読み出し専用メモリ)であるそうです。(あ〜開発者に笑われてるぞ〜ごめんなさい)とすると、制御用のプログラムか何かが書き込まれているはず。参照しつつ先のOPEN-Rの謎チップが働いているのでしょうか?

NECのD16805はモータドライブのチップだと他のBBSで調べた方がいらっしゃいました。なぜソニー製なのにNEC部品と疑問を持たれる方も多いですが、まず民製品では、特許の問題や設備投資が莫大であるため、すべてのICを自社製でそろえようということはしません。そのためか、各社得意分野があり、例えば、CDプレーヤはどこの会社の製品であろうと、ソニー製のチップ満載だったりします。

基板裏側、やはりちょっとピンぼけだった。金色で目立つのがOPEN-Rのコネクタ。あとは目立った部品無いなぁ。写真右の白いところ、チップ部品が載るパターンだけはあるのだが、何だったんだろ?なお、基板自体は多層でベタグランドになっているため、パターンの追跡は不可能。

駆動しているモータ、足内部にある残り二つとは形状が異なり平板型。メーカー名が無いところから、ソニーの内製であろうか?ネジ穴から見ると、多極のDCモータのようだ。ネジ穴は6穴タップされているが、固定に使用するのは2つのみ、他でも使う規格品だろうか?(ビデオのローディングとか、ハンディカムとか、誰か見たこと無いですか?>分解仲間の皆様)この2cm足らずのモータでAIBOはがんばって起立するんです。すごい。リニアモータ職人としては、ひたすら感涙。これを見てやる気が出ました。


以上、お急ぎレポートでした。脚部も実は解剖したのですが、既に多くの方が解剖されているので、とりあえず中途半端な掲載は見送らせて頂きました。現在、埃を避けるため、ギヤケースは組み直し、箱に入れて保管しています。今週のDorayakiは、共同研究の打ち合わせがあるので、今日はこの位で勘弁してください。これ以上焦げると贈答品に使ってもらえなくなります(笑)。次回も出来次第アップします。

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