AIBO頭部分解 その3
AIBOがぴろぴ〜といって口を開けたところで指を入れると噛んでギーギーいいます。指を怪我することはないですが、AIBOが壊れてしまうのではないかと心配になる人もいることでしょう。それならご心配なく、内部構造を知れば、ちゃんと配慮されて設計されていることを発見するはずです。というわけで、今回は顎部(アゴ)の解剖を報告したいと思います。

図18:コネクタおよび、基板の下の樹脂パーツ(耳の軸が出ているもの)を外します、さらに、頚部から出ているケーブルが、顎のユニットの左右に固定されているので、爪を外して取ると図のように外せます。

図19:顎のユニットのアップ、またまたピンぼけですが、下顎の部品は、左右の軸にはめてあるだけです。左右に開くと外せます。ケーブルの出方に注目。

図20:下顎を外したところを右後方より見る。モータ+ギヤケースのユニットが、アルミの板で本体に固定され、その先に黒い樹脂部品(ここに下顎が固定される)、ワッシャを介してオレンジ色のゴムブッシュ(?)そして、これらをダブルナットで固定している。下顎は、回転軸に直結されておらず、どうもこのオレンジ色のゴムを介して、摩擦(フリクション)伝動で駆動されているようだ。普通に動く場合は摩擦で動くが、何かを挟んで過負荷がかかり、ゴムの最大静止摩擦係数と押し付け力で決まるトルクを超えた場合、ここが滑る。一種のクラッチである。これにより人間への傷害を防ぎ、さらにギヤやモータの破壊も防止することになる。

このためAIBOに何かを噛ませてギーギーやっても即壊れることはないですが、長い目で見るとこのオレンジ色のゴムを摩耗すると思います。摩耗した場合はナットで調整できそうですが、調整部分にダブルナットを使う設計はスマートでなく個人的には大嫌い。せめてナイロンナットにして。

なお、角度の検出は左の付け根でやっているので、閉じなければ閉じないで、右の付け根にあるモータは回り続けることになってしまいます。

*ダブルナット:一つのネジ(ボルト)に対して、2つのナットを締めて止める方法。2つのナット間の摩擦でナットの回転が阻止されるので、ゆるみにくい(本来の用途)。建築では多用していると思う。これを利用して、1つめのナットで位置だけ決め、その上からもう一つのナットを締めると、団子のようにナットをネジの途中に止めることが出来る。これを使ってAIBOのように押し付け加減など調整に使えるが、煩雑な方法であり、作業者によって固定位置が変化するなどの問題があるので、著者は好きでない。(自分の設計では絶対に使わない。)

*ナイロンナット:ネジ山の一部がきつめのナイロンで作られているナット、この部分の摩擦でゆるみを防ぐ。コストが高いのが難点。

図21:スピーカとモータの位置関係。スピーカのカバーは既に外してある。ここで、スピーカを取り出したいところですが、それは×。本体と接着、あるいは粘着で固定してあります。これを剥がしてしまうと、スピーカ本体の振動でビリビリと割れた音になってしまうはず。しかし、これもまた、小さいのによくあれだけの音量が出るよな〜と感心する。

図22:小物パーツ。上から、スピーカ押え、左右丸いのが顎関節軸カバー、白いの2つがケーブル押え


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