夢の解明

脳は自動的に活動する。

脳の自動活動

 これは心の解明にも重要な役割を果たす。その前に夢の解明なくしては、心の解明はできないのである。

自動活動が夢の解析の糸口になる。更に心の解析に繋がってゆく。

 人間身体は自動活動をしているところがある。心臓は自動的に動いている。同様に脳も自動的に活動しているところがある。夢は睡眠中における脳の自動活動なのである。自動活動を根底にして考えれば,膨大な夢についての考察及び疑問も簡単明瞭に解析できるのである。

夢の発生

 先天的な脳の活動の一つに、恐怖心がある。生き物はこれにより危険から身を守ることができる。危険に遭遇した場合、身体をかくすか、又は近寄らないで身を守ることができる。 

 後天的にも、夢は恐怖体験の記憶が睡眠中に、自動活働することにより見るのであり、その夢も亦自動的に記憶され、覚睡時に自動的に再現される。それが亦記憶され、今度は意思的にも再現することができるのである。以上夢の解析は脳の自動的活動によるものである。    

夢の成長と多様化

 時間の経過、環境の変化により心身は成長する。種々の経験は自動的或いは意思的に記憶されて、夢の原因になる。身体の成長や経験と共に夢も成長し多様化するのである。

夢を見る

 換言すれば睡眠中に、像或は視覚の記憶像を見ているのである。この像は断片的記憶、身体の条件、周囲の状況、希望願望、恐怖心等により自動的に形成される。この像を見ている時、閉じた眼球はギョロギョロ動いている。これは視覚中枢も同時に活動していると考えられる。見た夢は自動的に記憶され、覚醒後に自動的に再現される。又覚醒時には意思により再現することもできる。故に見た夢について語ることが出来るのである。

夢を見ることと視覚は異なる

 覚醒時に見る像は網膜の像が視覚中枢に伝達されて見えるのであるが、睡眠中に形成された像は時間の逆転もするし、形も変形するのが特徴である。夢は形成された像と視覚中枢の混合活動である。 

像を見る

 覚醒時に一匹の犬を見たとする。目を閉じてもその犬を連想することが出来る。像として記憶されたのである。この記憶された像が変形等の経過を辿りながら睡眠時に自動的に再現されたのが夢である。

断片的記憶

 夢が形成される一つの原因である。記憶された非時間的、部分的及び断片的な経験等が変貌しながら自動的に再現される。又現実の経験がそのまま記憶され断片的に再現されることもある。

身体の条件

 聴覚嗅覚味覚、痛い、痒い、空腹、排泄等が過去に記憶した像と重なり経過してゆく。何回トイレに行っても排泄できない夢を見ることは、日常しばしば経験する。これは日常生活の抑制力が睡眠時にも活動することを証明している。又像と関係のない夢もある。暗黒の中で音を聞く夢がその例である。音の断片的記憶と睡眠中の聴覚中枢の活動である。聴覚中枢も亦自動的に活動する。

周囲の条件

 暑い寒い、大きな音がする。これと過去の記憶された像が重なったり,変貌したりしながら夢の中で展開して行く。

希望願望

 実現できない願望は、夢においては、不断の願望が変形して再現したり、又失望したり、自信のなさが、そのまま睡眠中に像と重なって再現されたりすることある。

恐怖

 睡眠時、小さい時経験した恐怖が原因になり、恐ろしい像を形成し、その像は視覚中枢の活動と共に夢が形成される。

 夢と言葉

 夢の過程において、発する言葉或は単なる声は、睡眠中の言語中枢の非時間的、断片的自動活動である。

夢とは

 脳の自動活動の実証であり、脳の自動活動を理解することにより「心の解明」が可能になるのである。

©Touji Ochiai 2003