トゥ・シューズ
バレエ独特の爪先立ちの踊りを可能にする重要なアイテムがトゥ・シューズである。爪先の部分が平らになっており、ダンサーの足の指にかけられた体重を均等に分散する。だがそれでも、つま先の床に対する接触面積は、ひとひとりの体重を支えるものとしては信じられないほどに狭い。バレエダンサーは厳しい肉体の訓練を重ねることによって、この小さなスペースに自分の体重を乗せて踊るという奇跡を実現する。そのとき、彼女は異なる次元の世界へと足を踏み出すことになるのである。
バレリーナを目指す女の子は、まず最初にこのトゥ・シューズをはいて踊ることを夢見る。その肉体がトゥ・シューズをはけるような水準に到達するまでに多くの女の子たちが夢破れて脱落していく。だからこそ、トゥ・シューズをはいた瞬間が、言い知れない優越感と歓びに満ちたものであろうことは容易に想像できる。ただし、トゥ・シューズをはいた先にもさらに長い忍耐の日々が待っているのは当然のことだが。
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