


|
「……誰?」という声がいきなり頭の中に響いて眼が覚めた。 「なによ……なんなの? なんで、わたしの中にいるの?」 ……なんで、と言われても。 「うわっ……なにそれ。いや、いやいやいやちょっと待って。わたしは誰? わたしは……わたしは霊夢。博麗霊夢。幻想郷の博麗神社の巫女……だったわよね?」 ふうん、そうなのか。 「やっぱり、いる……わたしと別のなにかが……あなた、誰よ。名乗りなさい」 いや、そう言われても。 「ああ、もう!」 突然、身体が勝手に起き上がり、視界が開く。 部屋の壁、ふすま、畳。そしていままで私が横たわっていたらしい布団が見える。 「違うの。これはあなたの身体じゃなくて、わたし。わたしの身体。あなたはたぶん外からわたしの身体の中に入ってきた。これは分かる?」 ああ……なんとなく分かる。 つまり、あれか。私は魂だけの存在というわけか。 |
|
パディントンに学ぶお金の意味 私は小学生の頃「くまのパディントン」シリーズの愛読者であった。 御存じないかたのために簡単に説明すると,南米からイギリスにやってきた子熊が,パディントン駅で親切なブラウンさん一家に拾われて居候することになる。熊は出会った場所にちなんでパディントンと名付けられ,数々の珍騒動を巻き起こす……という話である。 で,あるとき,パディントンは銀行に貯金をおろしにゆく。ところが窓口の担当者が払い出した1ポンド紙幣を見て,彼はこれは自分のあずけたお金ではない,と言い出す。担当者が驚いて理由を聞くと,彼は「番号が違います」(!)と言い,さらに「僕のお札には『要求があればそのクマに1ポンド支払う』と書いてありました」と付け加える。 担当者はそれを聞いて「そのクマに」ではなく「ソクザに」の誤りである,とパディントンに告げるのだが,これは実は一種の「超訳」である。パディントンが「そのクマに」と誤読した原文には,実は違う意味があったのだ。 私は原文を読んだわけではないが,先日,ある場所であるものを見てその理由に思い当たった。(以下略) |