遠ざかる銀河
〜光のドップラー効果〜

先にも述べましたが、光にも波の性質がありますので、ドップラー効果を当てはめることができます。
遠ざかる光源から放たれた光を観測すると、波長はのびて、その光源が実際に放ている波長よりも
長い波長で観測することになります。長い波長の光は赤く見えることから、天文学ではこの現象のこ
とを赤方偏移(せきほうへんい)と呼んでいます。
 ここでステイファーの発見に戻ってみましょう。ステイファーは銀河の光を分光することによって
あることに気がつきました。それは、観測した波長の中に、どの原子にも当てはまらない、中途半
端な波長が含まれている、ということでした。
そこでステイファーは、それらの波長を、同じ割合だけ小さな波長にずらしてみました。すると、今
までに知られている原子が放つ波長に一致したのです。 つまりそれらの波長は、本来その原子が
放つ波長よりも、長い波長で観測されていたのです。
もうみなさんは気がついたでしょう。そうです。ステイファーが観測した銀河は、私たちの天の川銀河
から遠ざかっていたというわけです。赤方偏移が大きいほど、遠ざかる速度も速いことになり、これを
計算すると、ある銀河は時速数百万キロという、すさまじい速度で、遠ざかっていると言うことが解り
ました。