遠ざかる音は低く聞こえる
〜ドップラー効果〜
   天体から届いた光を分光することによって、推測できることがもう一つあります。
それは、私たちが日常よく経験する効果なので、まずは身近なところで考えてみましょう
光も波であることを考えれば、音と同じように考えることができます。
  誰でも街中で、救急車がサイレンを鳴らしながら、走り去っていく様子を経験したことが
あるでしょう。このとき、サイレンの音はどのように変化したか、思い起こしてみてください。
自分に近づいてくるときには、高い音に聞こえて、遠ざかっていくときには、低く聞こえたの
ではないでしょうか。  これは、サイレンの音の波長が近づいてくるときと、遠ざかるときで
変わるために起こる現象です。音源では決まった波長の音を出していても、その音源が近
づくときには短くなり、遠ざかるときには長くなります。
この効果は「ドップラー効果」と呼ばれていて、1845年にトランペットを汽車に乗せた実験で
確かめられました。