古代人の宇宙観

人間は一体いつ頃から宇宙を意識し始めたのでしょうか? はじめの頃は
古代人たちにとっての宇宙は、自分たちが住んでいる地救上のそのまた限
られた地域に限られていて、宇宙の果ては海だったり、山だったりしてい
たのに違いありません。
 実際に古代メソポタミア人は、大地の周りを高い山々が取り囲んでいて
天空はその山にのっかっているという風に、考えていました。彼らの考え
によると、太陽は天空を横切って、地下のトンネルをくぐった後に、再び
東からの昇ってくるのだと考えられていました。
 季節によって見える星座が違うことは、古くから認識されていたようで
す。夜空の星の正体は解らなくても、その運動の規則性を理解して、それ
を生活に利用することが、考えられていました。
 古代エジプト、紀元前4000年頃にはすでに、一年が365日であることも知
られていて、1年の初めを、シリウスが日の出直前に昇ってくる日と、決め
ていました。この時期はちょうどナイル川が氾濫する時期と、一致していま
した。古代エジプト人たちは、その後4ヵ月を氾濫期、次の4ヵ月を回復期、
最後の4ヵ月を乾期として、農作物の収穫期と決めました。 つまり古代の
人たちにとって宇宙は、自分たちの生活リズムに直接関係するという意味で、
現在の私たちよりも、身近なものとして、とらえていたのかもしれません。