光の正体を探る

----光は波-----
天体を観測する最も基本的な方法は、その天体が放っている光を受け取ることです。
天体が放出する光を受け取れば、その天体の性質や、運動さえも推測することがで
きます。
 では、そもそも光とは何でしょうか? 光の性質は次のような実験をしてみると、よく
解ります。スクリーンを2枚用意して、そのうちの一枚に、細長いスリットを2本平行に入
れスリットを通り抜けた光が当たるように、もう一枚のスクリーンをおきます。すると光は
そのスクリーンに一様に当たるのではなく、あたるところとあたらない所が繰り返されて
縞模様のように見えます。これは二つのスリットから抜け出た光が、あ互いに強めあうと
ころと、弱めあうところが生じるからです。この現象を光の干渉と呼んでいます。
同じようなことが水面にたった波でも起こります。波では水面の山と谷が交互に繰り返
されて、それが水面を伝わっていきます。波が最初のスクリーンに当たると二つのスリッ
トから波が漏れて、それらの波が後ろに置いたスクリーンに当たります。そのときに二つの
波の山同士が出あうと波は強めあい、山と何がぶつかると弱めあって消えてしまいます。
こうして後ろのスクリーン上では、波の強い場所と弱い場所が、交互にできます。光の場
合も同じことが言えます。波には干渉という現象があって、光もまた波であることがわかり
ます。
波は何かが振動して、それが伝わる現象です。水面の波は水の振動で、音は空気の振動
です。それでは光は、何が振動して伝わっていくのでしょうか?

-----何が振動しているのか----
私たちは夜空にきらめく星たちを、当たり前のように見ていますが、その光は宇宙空間を
通過してきたものです。宇宙空間は真空であり、何も振動するものは無いのに、何が振動
して伝わってくるのでしょうか?
 この疑問に答えてくれたのが、19世紀のイギリスの物理学者マックスウエルです。マック
スウエルは、電気の振動が波として伝わることを、示しました。電気の振動といっても、ピンと
こないかもしれません。電気は私たちの生活に欠かすことのできないものですが、それは
電荷をもった電子という粒子が電線を通って、運ばれてくるものです。電子同士は反発し、
電子の電荷と反対符号の電荷思った粒子とは引き合います。これを電気力と呼んでいます。
電荷を持った粒子の周りには、その電荷の影響が及ぶ範囲があって、この範囲を電場と
呼んでいます。電子を振動させると、その周りの電場が振動し、それが次々と空間を伝わって
墓の電荷を持った粒子を揺り動かします。これが電気の振動が波として伝わるということです。
実は電場が振動すると磁場もできるのです。このように電場と磁場が次々と振動を引き起こして
空間を伝わるので電磁波と呼ばれています。
この電磁波の中のある範囲の波長のものを、人は光としてm目で感じ取ることができるのです。