天気が良くて澄んだ星空を見上げると、数多くの星たちが
まるで私たちを取り囲むように、輝いているように見えます。
夜空の星は私たちの地球を中心とした、大きな球面上に
分布していて、北極星の周りを回っているかの様に、見える
のです。この仮想上の球面を天球と呼んでいます。 古代の
人々は実際に、とっても大きな天球があって、そこに 星たちが
点在しているのだと、考えていました。 しかし、 実際には
星までの距離は一様ではなく、地球からの距離は 様々なの
です。しかし、どんなに二つの星の距離が離れて いたとしても、
地球から見える方角が同じならば、天球上 では近くに様に
見えてしまうことに、注意しなければなり ません。 たとえば
よく知られている北斗七星も、7つの 星のうち5つまでは、
ほぼ同じ距離(約75光年)にあって 同じ方向に動いていま
すが。両端の星はずっと遠くにあって (109光年と250光年)、
別の方向に動いています。 ですから北斗七星の形は、
時の流れとともに変わっている のです。  天球上で太陽が
移動する道のりを、黄道と呼んでいます。 古代エジプトでは、
自分たちを太陽の子と呼んで、太陽と 神を崇めていました。
そして黄道に沿って36の星座を 考えました。 一方メソポタミア
でも、やはり太陽を神と崇めていて、 天球上の黄道は、宗教上の
特別の意味があり、黄道上に 12の星座を考え、季節ごとに
その位置を示しました。 その12星座がギリシアに伝わり、今日
の星図の元に なりました。