天体の動きから生まれた暦 

古代文明はどれも、大河の流域に栄えましたが、その中でもナイル川流域に栄えた
エジプト文明と、チグリス、ユーフラテス川流域に栄えたメソポタミア文明では、天文
学がとても重要な役割を果たしていたことが、解っています。

 エジプトでは、おおいぬ座の-1.5等星シリウスが日の出直前に昇る時期と、洪水が
はじまる時期が、ちょうど一致していました。このことは紀元前3000年頃には、すでに
知られていたと言います。エジプトにおいて洪水は、上流の栄養分を含んだ土を、
下流へと運んび、やせ細ってしまた下流の土地を、蘇らせてくれるものだったのです。
ですから、洪水の過ぎたあとに種をまけば、豊かな実りが約束されたのです。
 このようなことから、洪水の時期を知ることは、とても重要であったのです。 そこで
この洪水の時期を一年の始まりとして、1年が365日であると決めました。4年ごとに
1年を366日とする閏年をもうけたのも、古代エジプト文明だったのです。

紀元前2000年頃になると、エジプトでは太陽の動きから、メソポタミアでは月の動き
から、それぞれ暦が作られました。 メソポタミアで作られた暦は、1年を12ヶ月に分け
るもので、それはそのまま、現在にも引き継がれています。