やぎ座の神話 

牧神パアン(神話)

パアンというのは、ギリシャ神話の野原の神で、山羊の角と、毛の生えた
とがった耳で、足にはひずめもありました。
 パアンはいつも山の中の洞穴に住んでいて、いたってのんきで、夕暮れ
になると穴から出てきて、同じ半人半獣のサチュロスと、森や谷川の精女
たちを追い回したり、ヨシの茎で作ったシリンクスという笛を吹いて羊飼
いや精女たちと踊っていました。
 ある時、神々がナイル川のほとりで酒盛りを開き、パアンはシリンクスを
吹いて、興をそえていました。そこへ、怪物ティフォンが現れたので、
神々は慌てて思い思いの形に変わって逃げ出しました。パアンも山羊になっ
て逃げ出したのですが、水に浸った部分だけが魚の尾に変わり、外に出て
いた部分は山羊のままでした。
 この出来事を記念に。大神ゼウスはその形を星座にしたと言います。
しかしこの話は、山羊の尾が魚になっていることを、無理に説明した神話の
様です。