太陽の伝説

大空を駆った太陽神ヘリオス
ギリシャ神話における太陽の神はヘリオスの名前で知られています。ヘリオスは
毎日四頭立ての火の車を駆って現れました。曙の神エオスに先導されて、東の
宮殿から、天空に駆け上がって、大空を横切ると、西の宮殿にはいるのが、毎日
の日課でした。そして夜のうちに、大河オケアノスに浮かぶ巨大な黄金の船に、
火の車も馬も乗せて、東の宮殿へと帰ってきたのです。
 ある日のこと、彼は愛する息子パエトンの願いを聞き入れて、火の車を貸すこと
にしました。しかしパエトンは、火の車を自在に操るには、余りにも未熟だったので、
火の車は高く舞い上がったかと思えば、地上すれすれまで落下してきたりしました。
火の車が高く舞い上がると、地上は猛烈な寒波に凍り付き、火の車が落ちてきた
ところは、大地も動物も植物も黒こげに焼けてしまいました。
 この様子を見ていた大神ゼウスは、とても怒りました。そしてゼウスは、稲妻を放
ってパエトンを撃ち落としてしまったのです。  パエトンが落ちた川の畔には、
やがてポプラの木が育ちました。これは、パエトンの死を悲しんだ姉たちの、涙に
よるものだと言われています。

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