月の伝説  


月の模様になったうさぎ(インドの伝説)

昔から日本では月にはうさぎが住んでいて、お餅をついていると伝えられて
いますが、そのルーツをたどるとインドの伝説が元になっているようです。
インドではこのような伝説が伝わっています。
 昔ウサギとキツネとサルの三匹がとても仲良く暮らしていました。ある時三匹は、
自分たちが何故獣の姿をしているのかを、真剣に話し合いました。
   「きっと前世の行いが、悪かったからだろう」
   「それならばこれからは、人の役に立つような行いを、しようじゃないか」
まもなくそのチャンスが訪れました。三匹の前に、ひとりのみすぼらしい老人が
現れたのです。彼らはさっそく老人の世話をすることにしました。サルは木に登り
木の実を集めてきました。キツネは野山を走り回って、果物を集めてきました。
しかし、ウサギには何もすることがありませんでした。そこで彼は自分自身を
食べてもらおうと、燃えさかる炎の中に身を投じてしまいました。これを見た老人は
びっくりしてしまいました。実は老人は神様の仮の姿だったのです。
   「お前たちの優しい気持ちは良くわかった。来世ではきっと人間にしよう。
   それにしてもウサギには可愛そうなことをした。月の中にウサギの姿を
   永遠に残してやろう。」
月の黒い模様は、ウサギが喜んではねている姿なのである。


狩猟の神アルテミス
月の女神アルテミスは、芸術の神アポロンの双子の姉です。アルテミスは
処女の女神としても知られていて、他に狩猟と弓の技をつかさどりました。
いつも弓矢を持ちニンフに囲まれて、野山を駆けめぐりました。野生の動
物や子供、弱者達の守護神でもあったのです。
しかし少女のような純粋さゆえか、異常なまでに潔癖で、しばし冷酷な一面
もみせました。彼女が池や川で水浴をしているところを覗いた男達は、ひど
い報復を受け、その罰として女に変身させられた者もいるほどです。
 その中でも悲惨な処罰を受けたのが、優れた狩人であったアクタイオン
でした。彼は狩りの途中で、偶然にアルテミスの水浴中の裸身を見てしまい
ました。アルテミスはこの偶然を許そうとはしませんでした。アクタイオンは
ポロンの孫であり、人間の世界で言えば、アルテミスは大伯母に当たります。
それにも関わらず、アクタイオンを鹿に変えてしまいました。彼の50匹の猟犬
は、その鹿が主人であることも知らないままに飛びかかり、主人を貪り食って
しまったのです。

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