うしかい座の神話

石山となった巨人(神話)
うしかい座の巨人は、カリストーの子アルカスが、母とも知らず、狩り犬を
連れておおぐまを追っている姿とも言われますが、アルカスは普通こぐま座
に結びつけられています。 
 アトラスは大神ゼウスの一族の戦いに敗れた巨神族のひとりです。
 他の仲間達は底なし穴に押し込められましたが、アトラスがあまりにも
大きいのと性格が温良だったので、アフリカで頭と手で空を支えることに
なりました。やがて雲はその膝に下がり、腰にまつわり、足にはやがて
苔が生えてきました。
 ところでヘルクレスは、12の冒険のひとつで、ヘスペリデースの園に
実る、金のリンゴをとりに出かけましたが、それにはその園を守っている
三姉妹の父、アトラスを頼むのがいいと、教えられました。アトラスは、
空の重みでうんざりしていたところだったので、ヘルクレスが少しでも代
わってくれるのを喜んで出かけました。
 やがてアトラスは、リンゴを採って戻ってくると、自分が王の所に持っ
ていこうと言い出しました。 ヘルクレスは驚いて「それはいいけど、肩
が痛いので、当て物を持ってくるまで代わってくれないか?」と言いました。
正直者のアトラスは快く引き受けてしまい、再び空を担がされる運命になり
ました。
 その後ペルセウスが、一目でも見た者は石になると言うメドゥーサの首を、
討ち取って戻る途中、「もう、空を担ぐのはたまらないから、石にしてくれ」
と頼みました。
そこで、ペルセウスが革袋から、メドゥーサの首を出して突き出すと、とたん
にアトラスは、望み通りに石山となってしまいました。
現在、アメリカの西北部にそびえるアトラス山脈が、その山だと言うことです。

前項