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りゅう座の神話 | ![]() |
フェニキアにエウローペというそれは美しい王女がいました。 ある時、海辺でたわむれるエウローペを初めてみた大神ゼウスは、一頭の美しい白牛に 姿を変えて、エウローペに近づいて、クレタ島まで連れ去ってしまいました。(おうし座の 神話を参照) エウローペの父親フェニキアの王アゲーノールはポイニクス、キリクス、カドモスの、 三人の息子たちに、エウローペを捜索するように命じました。この時の王の怒りようは、 すさまじく、息子たちに「エウローペを見つけるまでは、国へ帰ることを許さない」と、 言い渡すほどでした。 三人の息子たちは、それぞれ国をでて、エウローペを探しまし たが、いくら探しても、見つけることができませんでした。ポイニクスとキリクスは、王の怒 りを恐れて、ついには国を捨てることを決心しました。ふたりはそれぞれ赴いた土地に 街を作り、ポイニキア人とキリクス人の祖となりました。 さて、ただひとりカドモスはエウローペの居所を伺おうと、デフォイの神殿に赴き、太陽神 アポローンに神託を求めました。 するとアポローンは、カドモスの元に一匹の牡牛を 遣わせました。そっしてカドモスにエウローペのことは諦めて、この牛の後ろについて行き、 その牛の立ち止まった場所に町を作り、ボイオディア(牡牛の町)と名付けるように命じました。 牡牛はケーピソス川を渡り、パノペの野を越えて、とある丘の上で足を止めました。 |
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カドモスはアポローンに感謝を捧げ、この丘に町を建設するために、ゼウスへ生け贄を捧げ ようと、三人の従者に森の洞窟の泉の清水を汲みにいかせました。 ところがその泉というのが軍神アレースの聖城で、アレースの子とも言われている、金色の 鱗を持った巨大な竜が棲んでいたのでした。竜は三人の従者たちをたちまちのうちに殺し、 食ってしまいました。カドモスは従者たちの帰りがあまりにも遅いので、様子を見に行くと、 従者たちの死体をむさぼり食っている竜と出くわしました。カドモスは剣を抜き、激闘の末に 竜を倒しまし、その額を剣で木に縫い止めてしまいました。この竜がやがて天に昇り、りゅう座 になったと言われています。 |
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