おおぐま座の神話

★女神アルテミスに熊にされた、妖精カリストの悲劇
 妖精カリストは、一生子供は生まないと女神アルテミスに誓いをたてましたが
ある日アルカスという名の男の子を産んでしまいました。 カリストは、誓いを
破った罰として、アルテミスによって大きな変えられてしまいました。
 その後何年も過ぎて、一人前の狩人になったアルカスは、森で大きな熊に
出会いました。 
まさかその熊が、自分の母親だとは知らないアルカスは、とっさに弓をつがえて
熊の心臓にねらいをさだめました。   この様子を天から見ていた大神ゼウスは
哀れに思い、親子共々天に上げ、母親はおおぐま座に、息子をうしかい座に、
したと言うことです。
 
★太く長いしっぽの理由
おおぐま座のしっぽが、実際の熊に比べて異常すぎるくらい長いことに、気づいた方は
いますか?  ところ変われば、星座も変わることも多いのですが、この星座に限っては
各地でおおぐまの姿に見ているのも不思議なことです。  このおおぐま座のしっぽが
なぜこんなにも長いのかは、アメリカ・インディアンに伝わる神話が、その答えを教えて
くれます。

昔、森の木々は夜になると、話をしながら森の中を歩き回っていたのだと、言われてい
ます。  ある森の近くに、一匹の大きな熊が住んでいました。  
ある月のない真っ暗な夜、この大きな熊は洞窟に帰ろうとして、道に迷って、森の奥に
迷い込んでしまいました。
熊が辺りをうかがいながら、ゆっくりと歩いていると、突然あたりから、小さな話し声が
聞こえてきたのです。  
びっくりした熊は、あたりを見回してみましたが、誰も見あたりません。
するとなんと、森の木々たちがあちこち動き回りながら、話をしていたのです。
 びっくりした熊は、一目散に走り出しました。しかし、あまりにも慌てていたので、あちら
の木にゴツン、こちらの木にゴツンと自分がどう、走っているのかさえも解りません。 
そのときです。とてつもなく大きな樫の木が、熊に向かって歩いてきたのです。実はこの
樫の木、森の王様だったのです。
樫の木は、枝を伸ばすと熊のしっぽを
掴んで、持ち上げてしまいました。 
最初はちょっとからかおうと思っただけ
だったのですが、あまりにも熊が暴れ
るので、熊をくるくる回して空に放り
投げてしまいました。
熊は、星にぶつかって星になりましたが、
森の王様にしっぽを掴まれて、振り回さ
れたのでしっぽが、あんなにも長くなって
しまったのだと言うことです。

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