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いるか座の神話 | ![]() |
★楽人を救い出したイルカ(神話) |
イルカはギリシャ神話では神聖な動物とされていました。これは、 船人たちに航海の季節を教えたのと、海の神ポセイドンの使いであ ると信じられていたためですが、イルカが音楽好きだと言う話は、 学者の間でも有名な話です。 いるか座のイルカは、ギリシャの楽人アリオンの伝説をともなって います。 ある時、シチリア島の音楽コンクールがあり、ギリシャ全土の楽 人、詩人が一同に集まりました。この時アリオンも、コリントス王 のお供をしてその島に渡り、見事に優勝して、たくさんの賞金を手 にしました。 そして、生まれたレスポンス島に立ち寄ろうと舟に 乗り込みました。 しかし、出港するとまもなく、荒くれた水夫た ちに取り囲まれて、その中の船長が刀を振りかざし、賞金の入った 袋を奪った上に、海に飛び込むように命じられました。 アリオンは助からぬ命だと悟ると、立派な楽人らしく死のうと、 紫の衣を身に着けて、花輪をいただいて船縁に立ちました。広い 海を前に琴をかき鳴らし、最期の歌を歌いつづけました。すると どこからともなく、たくさんのイルカが船の周りに集まってきて 聞き惚れていました。歌い終わるとアリオンは潔く海に身を投げ ました。そこを大きなイルカがふわりと背中に受け止めて、陸に 向かって泳ぎ出しまし、その後を多くのイルカたちが続きました。 こうしてアリオンは無事に岬まで送り届けられて、コリントスの 王宮に着きました。 やがて、遅れて帰ってきた船長と水夫たちは、その悪事が発見 されて、厳しい罰を受け、アリオンの名声はより一層高まったと いうことです。 |
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