アンドロメダ座

人身御供の王女(神話)
アンドロメダは、エチオピアの美しい王女でしたが、母がそれを自慢して
海の精女のネーレード姉妹たちの悪口を言ったため、海の神の恐ろしい
祟りを受けて、王女は人身御供(神々や悪魔に人を供えること)にささげ
られることになりました。 王女は海辺の大岩に両手をつながれて、海魔
がくるのを、生きた心地もないままに、待ちつづけていました。
やがて海鳥が悲しい鳴き声をたてると、波間から海魔が現われて、黒船の
ようにやってきました。そして、王女を見つけると、周りに白い泡をわかし
ながら近づいてきました。
 王女はあまりの恐ろしさに目を閉じました。ところが、にわかに上の
ほうにパサパサと羽根音が聞こえたので、そっと目を開いて見上げると
金髪の王子が、羽の生えたかぶとをいただき、同じく羽の生えたサンダルを
履いて、円楯を持ち、方には皮袋をかけて、空から舞い降りてくるところ
でした。
 これは、ペルセウスが、女怪メドゥーサを退治して、その生首を袋に
入れて、ギリシャへと飛んで帰る途中に、ふと、眼下の光景を目にしたの
でした。ペルセウスが探検をキラリと抜くと、海魔は、その影が海に映っ
たのを見て、大きな口をパクリと開きました。
 ペルセウスは矢のようにその上に降りてきて、海魔が鋭い牙で噛み付こ
うとした瞬間に、その方に短剣を突き刺しました。海魔は一声「ウォッ」
と吠えましたが、そのままごろりと波間に横たわりました。ペルセウスは
こうしてアンドロメダの命を救って、出迎えた国王夫妻から、王女を花嫁に
申し受けて、ギリシャへと帰っていきました。
 神話によっては、ペルセウスは、天馬ペガススにまたがって、空から飛
び降りたことになっていて、その様子を描いた名画もあります。

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