はくちょう座の神話

【ゼウスの化身】
チュンダレオスとイーカリオスは,スパルタ国の共同統治王でした。
奴隷の数が人口の9割も占めるスパルタでは,共同で政治を行うのが
昔からの習わしだったからです。しかし,二人は気が合わなかった
のでたびたび衝突を起こしていました。
ある時,イーカリオスは策略をめぐらして,チュンダレオスをスパルタ
から,追放してしまいました。 そして,アイトリアのテスティオス王の
元に身を寄せました。そこで王女レダと恋に落ちて結婚しました。
このレダに,ある日大神ゼウスが恋をしました。ゼウスは,鷹に
追われた白鳥の姿に身を変えて,レダの懐に飛び込みました。
首尾良く彼女と交わり,レダは二つのヒアシンス色の卵を産みました。
一つの卵からは,カストルとポルックス兄弟(ふたご座)が,もう一つ
の卵からは,後にミケーネ王妃となった,クリュタイムネストラと
ギリシャ中を巻き込んだトロイ戦争の原因となった,絶世の美女ヘレー
ネが生まれました。
この時のゼウスの姿がはくちょう座なのだということです。

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