ヘルクレス座の神話

【ギリシア一番の英雄】
ヘルクレスは大神ゼウスとミケーネの王女アルクメーネの間に
生まれました。 これを知った正妃へーラは大変嫉妬しました。
やがてヘラクレスも成人して,テーベの王女と結婚して,幸せな
日々を過ごしていました。 この幸せな様子を見ていたへーラは
あまりにの嫉妬心にヘルクレスに恐ろしい呪いをかけたのです。
するとヘルクレスは突然錯乱を起こし,家族を皆殺しにしてしま
いました。 正気に帰ったヘラクレスは,自殺をはかろうとしま
したが,従兄弟たちに止められ,大神ゼウスの審判を仰ぐことに
なったのです。 ゼウスはこの大罪を償うために、エウリステウ
ス王に10年間仕えることを,命じました。
 そして,ヘルクレスは,次のような12の冒険を行うことに
なったのです。
  1 ネメアの人食いライオンを,退治すること。
  2 アミモーネの沼の怪物ヒドラを,退治すること。
  3 ケリュネイアの魔の鹿を,生け捕りにすること。
  4 エリュマントス山の巨大猪を捕獲すること。
  5 アウゲイアス王の牛小屋を,掃除すること。
  6 鉄の嘴と爪をもつスチュンパリデスの,森の鳥を退治すること。
  7 クレタ島の狂暴な,牡牛を生け捕ること。
  8 アマゾンの女王ピッポリテスの,帯を強奪すること。
  9 ディオメデスの人食い馬を,退治すること。
  10 ヘスペリデスの園の,金のりんごを持ってくること。
  11 エリュティアに住む,怪物ゲリュオンを退治すること。
  12 地獄の番犬ケルベロスを生け捕りすること。
これらの難題を直接言い渡したのは,エウリステウス王でしたが,
入れ知恵をしていたのは,女神へーラでした。
ヘーラはこれだけの難題を与えれば,ヘルクレスといえども,無事
に戻れるはずは無いと,確信していました。 ところが,もくろみは
外れ,なんと10年で大冒険を成し遂げて,ヘルクレスは戻ってきて
しまいました。 そして罪を償いおわったヘルクレスは英雄として
ギリシャ中に,その名を知られたのです。
死後ヘルクレスは神神の仲間に加わることになりましたが,これは
数多い神神の息子たちの中でも,異例のことでした。

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