はくちょう座 

はくちょう座:Cygnus(Cyg):Swan
★20時南中:9月25日
★南中高度:(北)82度
★肉眼星数:139個
★設定者 :プトレマイオス
はくちょう座 星座図


夏の大三角形の一番北側にあるのがデネブという星で、この星がはくちょう座の
尾に当たる星です。デネブから南に2等星・3等星が並んでいて、2等星の両側
には、3等星が輝いています。これがはくちょう座の姿です。天の川の中央につ
くられた十字形から白鳥のイメージはつかみやすいでしょう。北十字星とも呼ば
れています。北十字の一番南にある星はアルビレオと呼ばれていて、双眼鏡を使
って観察すると、黄色と青色の星の二重星であることが解ります。
 ギリシャ神話では、このはくちょうは、大神ゼウスがスパルタ王妃のレダに
逢いに行くときに、変身した姿だと伝えられています。そしてレダは、カストロ
・ポルックスの双子(双子座)や、トロイ戦争のもとになったヘレンを産んだと
いわれます。


南中位置での探し方
先ずはデネブから探しましょう。
1.まずは、天頂高くに昇ったデネブを探してみましょう。
  南を向いたら天頂からさらにげんこつ一つ上を見ると、1等星のデネブは
  簡単に見つけることが出来ます。
2.次にデネブを足がかりに、白鳥の胴体の星を探してみましょう。
  デネブから天の川にそって、南西(右下)、げんこつ半分くらいのところに
  2等星が見つかります。これがちょうどへそに当たる星です。そこからさら
  に、げんこつ一つ半たどるとくちばしに当たる3等星アルビレオが見つかり
  ます。
3.次にいよいよ大きく広げた、翼の星を探して見ましょう。
  へその星から北西(右上)、南東(左下)げんこつひとつのところにある、
  3等星を見つけます。さらに見つかった星から、げんこつひとつのところに
  4等星が見つかれば、見事に羽ばたいた翼が完成します。


★はくちょう座探検のポイント
【α星(デネブ)】
白鳥座でいちばん明るい1.3等星です。この星は強い光を放っている青白色の
超巨星で、地球からは3,000光年以上も離れていて、1等星クラスの星としては、
地球からもっとも離れている星です。

【β星(アルビデオ)】
美しい二重星で、倍率の高い双眼鏡を使って観測してみると、3.1等星と5.1等
星のふたつの星を確認することができます。望遠鏡を使えば、さらに詳しく観測でき、
オレンジ色の星と、青緑色の星が見事なコントラストを見せてくれます。どちらの星も
地球からは380光年離れていますが、連星を形成しているかどうかは、現在のとこ
ろは不明です。

【ο1星(31番星)】
3.8等星のオレンジ色をした巨星です。離れたところに5等星の青みを帯びた、伴星
(30番星)を従えたいますので、双眼鏡を使っての観測対象として適した星です。
もっと近いところにもう一つ青みを帯びた7等星があって、こちらも倍率の高い双眼鏡か
小型の望遠鏡で楽しむことができます。

【χ(カイ)星】
脈動する赤色の巨星で、ミラ型変光星です。およそ13ヶ月を周期として、3等星から
14等星まで明るさを変化させています。

【61番星】
とても魅力的な二重星で、5.2等星と6.1等星のふたつの星を、小型の望遠鏡か
倍率の高い双眼鏡を使って、分離することができます。ふたつの星ともに、太陽よりも
小さな高度の低い星ですが、11.4光年と地球から比較的近いので、簡単に見つける
事ができます。 650年の周期でめぐりあっています。

【M39】はくちょう座の散開星団
 射手座から立ち上る濃い夏の天の川は、中央を暗黒星雲が貫いていて、二股に
分かれて流れているように見えます。この流れはちょうど、はくちょう座のあたりで
合流して、やや淡い流れとなって、秋の星座が並んでいる、上流へと続きます。
 M39は、夏と秋の天の川のちょうど境目あたり、はくちょうの尻尾からさらに、天の
川をカシオペアの方向に昇ったところにあります。視直径30分くらいの範囲に広が
ったまばらな散開星団です。
 M39は満月と同じくらいの大きさの範囲で、広がっていますので40倍程度の倍率
になりますと、星団はその視野からはみ出してしまいます。このため、小型の双眼鏡
を使って楽しむのが、もっとも美しく見えることでしょう。  全体的に20個あまりの星が
三角形に集まった印象的な姿が、見られるはずです。 M39の太陽系からの距離は
約830光年で、星団を構成している星の年齢は、3億歳くらいだと考えられています。