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おとめ座 | ![]() |
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春の大曲線を描くスピカのあたりに大きく横たわるのが、背中に翼を持つ女神を 表したおとめ座です。しかし、白く輝く一等星のスピカ以外には、これと言って 目立つ星が無いので、おとめ座の全体像を見つけだすのは根気がいるかもしれ ません。 少しばかり控えめなおとめ座ですが、古代バビロニアではここに麦の 穂を描き、ギリシア時代には麦の穂を持つ女神の姿を描いていました。 黄道12星座の6番目でもあります。 |
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娘を奪われて悲しみにくれる、豊作の女神 | |||||
豊作の女神デメテルのひとり娘ペルセフォねは、死の国の国王プルトーンに さらわれてしまいました。これを知った母デメテルは怒りと悲しみのために、天 上から姿を消してしまいます。 このため地上は暗く寒い日が続き、農作物が全く 出来なくなってしまいました。 これを重く見たゼウスはベルセフォネを母親に返す ように、プルトーンに命じたのです。 ところがベルセフォネは帰途、プルトーンからもらった12個のザクロの実のうち 4個を食べてしまいました。そのために4ヶ月はプルトーンのもとで、暮らさなくては、 ならなくなったのです。 現在もその4ヶ月の間は冬となり農作物が取れなくなるの だと云うことです。 |
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南中位置での見つけ方(20時南中:6月7日) | |||||
1.まず、真南に昇ったスピカを見つけましょう。スピカが南中する時刻を調べて 真南を向い たら、げんこつ4個半上を探すと、青白く輝く明るい星が、すぐに 見つかるはずです。 2.次は胸の部分を探してみましょう。スピカから西北西(右やや上)へげんこつ 一つ半位の 所に、3等星のγ星が見つかります。そしてそのγ星を中心に げんこつ一つ半西(右)に 4等星のβ星が、またγ星から北(上)げんこつ一つ 半の所に、3等星が見つかります。 この三つの星とスピカを繋ぐと横に倒れた Yの字ができあがります。 3.これからは星座図を頼りに、いくつかの暗い星を、結んでいくことになりますが、 横に倒れ たYの字が見つかれば、おとめ座を見つけたといってもいいでしょう。 |
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★おとめ座のポイント |
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●太陽の600倍の大きさの、スピカ スピカは日本では「真珠星」と呼ばれていて、世界でも清純な乙女の星、と言う 印象でとらえられているようです。 しかし、実際には直径が太陽の約600倍もある 巨星で2万度の高温で輝いている、とても激しい星なのです。 ●γ(ガンマ)星 連星です、肉眼で観測すると、2.7等級相当の単体の星のように見えます。実際には 3.5等級の黄色白星が二つで、169年という周期で共通に重心をまわっています。 ●おとめ座の系外星雲群 春の夜空では、天の川を見ることが出来ません。これはちょうど銀河系の円盤から 銀河系の北極方向を見ている形になるからです。このため逆に銀河系内に漂う、 様々な星間のガスにじゃまされることがなくなります。 このあたりの星には、明るい星は極少ないので、あたかも夜空に大きな穴があい たような印象を持つことでしょう。しかし、よく観察すると、遙か数千万光年彼方に 散らばっている系外星雲を見つけることが出来ます。 このあたりの空は「宇宙の のぞき窓」とも呼ばれていて、多くの系外星雲を研究する上で、適した領域となっ ています。特に、おとめ座とかみのけ座の境界付近には、多くの銀河が分布して います。これらの銀河の群は「かみのけ座・おとめ座系外星雲群」と呼ばれていま す。 この系外星雲群の中には16個ものメシエ天体が含まれています。多くは 1781年にメシャンが発見して、カタログに加えたものです。 |
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