みなみじゅうじ座
みなみじゅうじ座
この星座は全天でもっとも小さくて、一番大きなうみへび座のわずか20分の1の
大きさしかありません。 けれども星の並び方がとても有名で、簡単に見つけること
ができます。古代ギリシャでは、この星座を半人半馬のケンタウルスの後ろ足と見て
いましたが、16世紀に末にヨーロッパ人が、南方を探検するようになると、一つの
星座として、認められるようになりました。しかし、誰がこの星座を設定したのか、
はっきりとはしていません。この星座は天の川がひときわ明るく輝いているところに、
位置していて、十字の長い方の縦の棒は、天の南極をさしています。

この星座の全体像が見られるのは、北緯25度以南の地域です。


みなみじゅうじ座の探検のポイント
★星α(アクルックス)
 肉眼では0.8等級の一つの星に見えますが、実際には二重星です。全天で
13番目の明るさで、小型の望遠鏡を使って観測すると、青白く輝く1.3等級と、
1.7等級の二つの星に分離することができます。ふたつの星ともに、地球からの
距離は約320光年で、連星を形成しているものと、考えられています。

★β(ベータ)星
地球からの距離が約350光年の彼方にある、青白色巨星です。この星は一日五回
膨張と収縮を繰り返しながら変光していますが、肉眼でその明るさの変化を,とらえ
ることはできません。

★γ(ガンマ)星
 離角に大きな二重星です。明るい方が1.6等級の赤色巨星で、地球からの距
離が約88光年です。双眼鏡を使って観測すると、この星よりも3倍以上遠くに、
この星とは相互関係のない、6等級の星が見えてきます。

★μ(ミュー)星
 これも離角の大きな二重星です。小型の望遠鏡か倍率の高い双眼鏡を使って
観測すると、4.0等級と5.1等級のふたつの星が見えてきます。暗い方の星が、
高速で自転しながらガスの環を放出していて、その影響で時折明るさに、小さな
変化が見られます。